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アメリカン・リーグ14球団の今シーズンを占う 「2004ア・リーグ展望」

ゴジラ松井・イチロー・長谷川・高津らの日本人選手も活躍するアメリカン・リーグ。最後まで目が離せない2004シーズンの激戦を、各チームの戦力分析とともに予想する。

執筆者:コモエスタ 坂本

2003年シーズン、ワールド・チャンピオンの座をナショナル・リーグのフロリダ・マーリンズに譲ったアメリカン・リーグ。去年101勝を挙げてワールド・シリーズに進出したヤンキースと、その永遠のライバル、レッドソックスの属する東地区のハイレベルな戦いを軸として、強豪揃いの西地区と、中地区の上位2強を絡めたリーグ優勝争いは最後まで目が離せないだろう。地区優勝のみならず、ワイルドカード1枚を巡るレースは激戦模様である。

ア・リーグの日本人プレーヤー

東地区ヤンキースのゴジラ松井は今年も堅実なプレーで、チームもレッドソックスとの首位争いを続けている。西地区のマリナーズにはイチローと長谷川で、チームは打線がつながらずどん底状態にある。先日日米通算2000安打を達成したイチローは序盤から好調、長谷川は厳しい場面で使われることも多く不調。

中地区のホワイトソックスには高津で、プレシーズンやシーズン当初よりかなり調子を上げており、無失点試合を継続するなど首脳陣の信頼を勝ち得ている。ホワイトソックスもツインズとの激しい首位争いを演じている。同じく中地区のインディアンスに多田野。おそらく3Aとメジャーを行ったり来たりするだろう。NHK衛星のTV中継は、ア・リーグではヤンキースとマリナーズ主体のため、中地区チームのゲームを見る機会が少ないのが残念だ。

ア・リーグ東地区

■去年の成績と今年の予想順位
2004年予想順位2003年最終成績
1位 レッドソックス1位 ヤンキース(101-61)
2位 ヤンキース2位 レッドソックス(95-67)
3位 ブルージェイズ3位 ブルージェイズ(86-76)
4位 オリオールズ4位 オリオールズ(71-91)
5位 デビルレイズ5位 デビルレイズ(63-99)

チーム別短観(去年の成績順)

【ニューヨーク・ヤンキース】
ゴジラ松井が下位を打つほどの、年俸総額200億円のスーパースター軍団はA・ロドリゲス、ジオンビー、シェフィールド、ジーターなどの強力打線に比較すると、クレメンス、ペティット、ウェルズの去った投手陣はローテーションの穴が大きく、打高投低模様。強力投手陣のレッドソックスとハイレベルな戦いをするだろうが、一歩及ばずの2位か。

【ボストン・レッドソックス】
ダイヤモンドバックスから大黒柱のシリング、アスレティックスからクローザーのフォークを迎え、強力投手陣はかなり安泰。ラミレスらの打線もなかなか好調。ガルシアパーラをケガで欠きながらの首位戦線は、シーズン通しての余力がまだまだあると見る。よって1位予想。

【トロント・ブルージェイズ】
2003年サイ・ヤング賞のエース、ハラデーに続く先発投手順が駒不足で、ハウデーも去年勝ちすぎのためか不調。打線は破壊力があるが、上位2強を脅かす力はなく、また指定席の3位すらも安泰ではない。5月末現在、オリオールズの方が上にいるが、最終的には僅差で3位に浮上か。

【ボルティモア・オリオールズ】
6年契約のテハーダ、ロペス、パルメイロと打線を大型補強するものの、若手頼りの不安定なローテーション、中継ぎ・抑えの不安など、まさに日本の読売ジャイアンツと同様なアンバランスなチームになった。結果としてブルージェイズともチームカラーが似てしまい、現在は打力で勝っているものの、最終的には失速して4位を予想する。

【タンパベイ・デビルレイズ】
年俸総額がMLB30球団の下から2番目という安くて若いチーム。他地区ならばひょっとして上位を狙える可能性があるかもと思わせるが、ア・リーグ東地区にいる不運か、他の大型チームに撃沈されている現状。残念ながら浮上は厳しく、5位予想。
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