日本画/日本画関連情報

手塚雄二作品『YUJI』NYリポート

ニューヨークで開催されたアートフェアで日本画家・手塚雄二氏の作品『YUJI』が話題になりました。この作品『YUJI』のエグゼクティブ・プロデューサー、手塚隆一さんに会場の様子などをお聞きしました。

執筆者:松原 洋一

Asian Contemporary Art Fair New York 2008 リポート
『YUJI』エグゼクティブ・プロデューサー、手塚隆一氏に聞く


            手塚雄二
展示前に制作されたCGによる完成イメージ『YUJI』
2008年11月6日(木)から10日(月)まで、ニューヨークのピア92(52丁目と12番街)で第二回アジア・コンテンポラリー・アート・フェア(ACAF)ニューヨーク2008が開催されました。今年もアジア諸国から多くのアーティストが参加、日本からも数名のアーティストが出品し、会場の中心であるプレミアムホールでは、東京藝大教授の日本画家・手塚雄二氏の作品『YUJI』が展示され、オープニング・セレモニーでは裏千家、金澤宗維氏による茶の湯のお手前が行われました。
作品コンセプトと完成イメージCG
手塚雄二略歴
Asian Contemporary Art Fair

このブースを企画した山下画廊のエグゼクティブ・プロデューサー、手塚隆一さんに設営や会場の様子などをお伺いしました。

ガイド:手塚隆一さんは手塚雄二さんと苗字が同じですが…

            手塚隆一
手塚隆一氏/1951年生まれ。『YUJI』のエグゼクティブ・プロデューサー
手塚隆一:ひとつ違いの手塚雄二の実兄です。私は1989年12月末まで英文週刊ニュース誌「タイム」のアジア雑誌販売局で勤務した後、1990年2月から1994年6月までニューヨークに在住し、洋書の輸入コンサルタントならびにEducational Testing Serviceのマーケティングをニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコなどで行っていました。 1994年からはメディアプロデューサーとしてマーケティング立案などを行っており、今回のアートフェアには山下画廊のエグゼクティブ・プロデューサーとしてスタッフに加わりました。

ガイド:このアートフェアはどのようなものなのですか?
プレミアムホール。ここから会場が始まる。中ほど左に山下画廊のブース。人が溢れている
手塚隆一:ニューヨークからアジア現代アートを世界に発信するフェアです。ニューヨークでも著名な画廊が数多く出展しております。日本、中国、韓国などからアジアを代表するギャラリーが、現在もっとも注目されている現代の芸術家を競ってプレゼンテーションいたしました。 ニューヨークタイムズを始めとするメディアの美術欄においてもそのフェア内容については高く評価されました。

ガイド:今回二回目ということですが、現地でマーケティングをなさっている手塚さんの目からご覧になって、ニューヨークの美術愛好家はアジア現代アートにどのようなものを求めているとお考えですか?
手塚隆一:少なくとも昨年までは一部の人たちによる投資目的での中国出身の画家の絵画が話題を呼んでいたといえると思います。ただ、今回はインドネシアのHaris Purnomoの絵が注目を集めたように、その画家の質の高さが評価された年といえると思います。そういう点から、手塚雄二氏の作品も非常に高い評価を得ました。アートネット創始者のピエール・セルネ氏は「伝統芸術である日本画を現代芸術として見せるこの珍しい試みは、まさにSPECTACULAR(壮観)である。これは本当の意味で西欧への偉大なる紹介である」とコメントされております。
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