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JSP-Portrait-土ヶ端大介

学校から車で2、3分の所に川が流れていて、制作の合間をみて釣りをしました。釣った魚を晩飯にして命を奪うことは、「狩り」という人間の本能みたいなものだと思いますが、絵を描くこともそれに近い感じがします。

執筆者:松原 洋一

TSUCHIGAHATA DAISUKE

土ヶ端大介
1980年 東京都生まれ
2008年 東北芸術工科大学大学院日本画研究領域修了

僕が通っている東北芸術工科大学は、学校の裏には蔵王連邦がそびえ立ち、車で2、3分行った所には川が流れている。そんな環境の中で、僕は制作の合間をみて釣りをすることが好きです。
魚を釣ってその日の晩飯にすることで命を奪い、人間としての狩りをする本能みたいなものを感じる。それと同時に絵を描くこともそれに近い感じがする。
おそらくそれは、僕にとってリアリティがあることなんだと思う。それは幼少のころから、なんとなく感じていたことで、絵を描くことも釣りをすることも僕にとっては、生活の一部であり、とても大切なことなのです。

All About で興味あるテーマ:スポーツ

展覧会の予定
展覧会名:東北芸術工科大学 卒業・修了展[東京展]→関連記事
会期:2008年3月26日(水)~4月3日(木)
会場:東京都美術館

◇制作の視点

生き物や人工物が朽ち果ててゆく時に見せる美しさをテーマに制作しています。 和紙とパンティーストッキングの対比が魅せる表情に魅力を感じ制作しています。 素材のメインにはパンティーストッキングを使っている。 パンティーストッキングは伝線させることで、他の画材では表せない模様ができたり、引っ張ったり、たわませたり、時には破ることにより、様々な表情が表現できると思っています。 また、形の面でも引っ張ることにより曲線やほころび等、独特なフォルムが形成されるところに魅力を感じています。
◇作品について

この作品はストッキングを使い始めた初期の作品です。 道を歩いていたらカラスの死骸を見つけ、そこに蟻が群がっていたりして、ひとつの命が終わってまた他の命に食べられていくところを目の当たりにしました。 そこにリアリティを感じ、制作しました。

「鳥」2004年

蝶と花という二つの関係。 蝶は蜜を求め、花は受粉を目的に存在しているんだなぁと感じ、偶然であり、必然である両者の関係を描きたいと思ったのです。

「Black & Blue」2005年

題名のStrandingは座礁するという意味で、座礁したクジラをモチーフに描きました。 上で紹介した作品からは、だいぶ年月が経っており、その間は少し違うアプローチで制作をしていたのですが、現段階では行き詰った感じがあり、もう一度白地にストッキングという見せ方を試みた作品です。

「Stranding」2008年

◇悩み

卒制を描き始めたのは、昨年12月くらいのこと。 素材に使っているストッキングのストックが切れてしまい、買いに行こうと思って大型スーパーに行った。 気づけばその日はクリスマスイヴ。何が悲しくて僕はクリスマスにパンストをしかも大量に買っているのだろうと思いながらレジへ向かうと、女性下着売り場の店員にやけに明るい笑顔で接客されました。 一体僕はどんな人だと思われていたのだろうか?



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