日本画/日本画関連情報

JSP-Portrait-山崎純子

現在の制作では、ばらまいた点をあるルールに基づいて線で繋いでいき、現れる形にその時々に浮かぶイメージを自由に投影していきながら、あるポイントに穴を開けていくといったものです。

執筆者:松原 洋一

YAMAZAKI JUNKO


山崎純子
1965年 京都府生まれ
1988年 東京芸術大学美術学部絵画科日本画専攻卒業
1990年 東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了

展覧会
充満する四つの時間-日本画の手法-展
出品:山崎宏、山田宴三、新恵美佐子、山崎純子
会期:2006年8月23日(水)~8月29日(火)
会場:日本橋高島屋美術画廊
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◇充満する四つの時間-日本画の手法-展と制作について

真に自分の核から(自分に核があると信じていることが前提ですが)生まれるものを強く求めるならば、見たくないものを見つめ、解らないものを抱えていくことに耐えながら作業を続けなくてはなりません。それは、自分の内にある真っ暗な闇を、一人で見つめ続けるようなものです。

その行為は、自分の内と外をつなぐ通路を探すことであり、過去・現在・未来に意味あるつながりを見出すことです。そして、それは個人が歴史に参加することであり、時間について体験し思考することにつながっていきますが、そもそも時間というと人間が発明したもので、ここでいう時間とはそういうものではありません。神秘の法則に繋がれた果てしなく多様な時間がビッシリと詰まった太古から存在する時空そのものです。

これは人間が時間と空間を分ける以前の宇宙本来の姿であり、時はあらゆる空間、物質、見えざるものに染み渡っています。ちっぽけな人間の心とは、神秘的なもので不思議なミラーボールのように、この見ることができない広大無辺な時空の在り様を映しだすことができるのではないでしょうか。

現在の制作では、ばらまいた点をあるルールに基づいて線で繋いでいき、現れる形にその時々に浮かぶイメージを自由に投影していきながら、あるポイントに穴を開けていくといったものです。作品の中では形は常に変化し、視点は流れ移動しながらも、全体が一体となり多様な同時性を持つといったものです。私は時空の全体性を表現したいのです。

今回の展覧会のテーマである「時間」は、私の作品を理解し、また日本画の本質を探る上でも重要な鍵となります。今回の展示で、時間・時空・時ということについて、新しい問題提起ができることを願っています。


「夜の音が降る」

充満する四つの時間-日本画の手法-展



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