柴田悦子画廊といえば誰が呼んだか「コスプレ画廊」の異名があります。「コスプレ」と「画廊」という、健全な想像力では結びつけ難いネーミングに、妖しげな疑問が膨らむ方も多いと思います。そんな方のために、コスプレ画廊の生誕の秘密から日本画商・柴田悦子の実態まで、とっても短いインタビューでその本質に迫ります。→コスプレno部屋へ
――柴田さんについて回想中…。
何年前のことだったか、はっきり覚えてはいないのですが、ディスコでお立ち台ギャルが流行っていた頃であることはほぼ間違いありません。
何かの展覧会の集まりからの流れで、みんなでカラオケBOXに行こうということになり、柴田悦子さんを含め数人で行くことになりました。
と言っても普段はカラオケBOXに行ってもあまり歌うことはなく、ただ飲んで
ばかりいるだけなのですが、その時はちょっと違う展開になりました。
いつものようにボクたちは大人しく飲んでいたのですが、突然ディスコミュージックが流れだしたかと思うと、トイレに行っていたはずの柴田さんがボディコン姿に身を包み扇子を振り回しながら入ってきました。あとはもう柴田さんのなすがまま…。日本画商・柴田悦子の本来の姿を初めて拝見した瞬間でございます。
――なるべくしてなったコスプレ画廊ですね
柴田悦子「おほほほ、そうかしら」
柴田さんは一般大学を出てから多摩美大の日本画科に入り、卒業後シライシ画廊を経て5年前に独立しました。今思えば多摩美の時の同級生たちとの年齢や環境などの微妙な差がここにきていいように作用しているんじゃないかと、湯飲み茶碗に忍ばせた焼酎をチビリチビリとやりながらシミジミとボクは考えていました。
――5年というのはけっこう長いですよねえ
柴田悦子「うんうん、そうなのよ。よく続いたよね~」
酒がすすめば、夜もふけます。柴田さんはどこから取り出してきたのか画廊の隅にフトンを敷き始めました。だけど誰もそんなことくらいでは驚きません。日頃の行動からして柴田さんがここで寝ようが、着替えようが、裸になろうが、ちっとも驚かないのですよ。
――柴田さん、今日はお泊まりですか~?
柴田悦子 「うん、私は帰るけどね」
コスプレ画廊と言ってもいつもは普通の画廊であって、初日などのパーティーで展覧会のテーマに沿ったコスプレのパフォーマンスをしているだけです。念のため…。だけど作家の人たちにもけっこう受けがよくて、プチコスプレの姿が妙に様になっている人が続出しています。
だけど大騒ぎが苦手なボクは白樺の木にでもなって喧騒のなか画廊の隅でボーと立っていたい気分です。小学生の学芸会の時のように…。ふッ
柴田悦子「う~ん、白樺か~、大作ね!」
――いや、そんな意味じゃなくて…。
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