防災/防災関連情報

店舗での火災被害のリスクを下げるには?

このところ火災被害が続発しています。1年中起きる火災被害は、特に冬場には空気が乾燥しているために、より被害が大きくなる傾向があります。今回はこれまであまり語られなかった粉塵爆発による事故の危険とともに店舗火災による被害に遭わないようにするポイントを紹介します。

和田 隆昌

執筆者:和田 隆昌

防災ガイド

釜山・射撃場の火災原因は?

冬場に増える火災被害。リスクを下げるには個人の自覚が最も重要

冬場に増える火災被害。リスクを下げるには個人の自覚が最も重要

先日の韓国・釜山では、日本人8人を含む13名もの死者が出て、「射撃場」という特殊な環境とは言え、このような「引火物」を取り扱う場所に行くことは、大変大きなリスクを負うことを改めて思い知らされました。日本ではこのような危険物を取り扱う場所では建築基準法にて厳しく取締りが行われています。しかし、今回は飛び散った火薬の粉による「粉塵爆発」と呼ばれる現象が発生したともいわれ、そのための安全設備は存在しなかったと報道されていました。

粉塵爆発は家庭でも起きる

この粉塵爆発という現象は、実は「火薬」だけでなく「小麦粉」や「砂糖」などの可燃性の粉塵が空気中に散らばった場合にも発生する現象です。その威力は工場などの建物を吹き飛ばすほどの被害をもたらし、国内でも過去に多くの被害を発生させています。つまり、条件が整えば家庭でも起こりうる事故だということなのです。韓国の事故原因はまだ究明されてはいませんが、現場状況から見てその可能性は高いと言えるでしょう。台所などで「粉類」を扱うときは、換気をした上でガスやタバコなどの「火の気」のないようにすることが万が一に備えるポイントです。
 

店舗火災からの危険回避

また、年末になると空気が乾燥していることもあり、多くの火災被害が発生します。特に最近気になるのが「店舗火災」における被害です。年末には飲み会や忘年会が多く行われていますが、繁華街の雑居ビルに行くと、いまだに廊下や階段に荷物が山のように積まれていて非常口の役目をなしていないところをよく見かけます。

2001年の新宿歌舞伎町における放火原因による火災では44名もの命が奪われることになりました。この火災をきっかけに消防法が改正され、管理権限者は重大な法的責任を負うことになっていましたが、現場ではなかなか徹底されていないのが現実です。また訪れる客の方も、いちいち訪れる店の非常口や脱出経路を確認しないのが普通です。しかし、もしも宴会の幹事などをする場合。リスクを軽減する方法を考えるべきではないでしょうか。そしてこれから店舗を選ぶとするならばどんなことに気をつけるべきなのでしょうか。

それには次のポイントが重要です。

  • 店舗に入ったらまず正面以外の非常口を探す(すぐに視認できること)
  • 上層階ならば非常口とともに非常階段を確認
  • 非常口からの退路が確保されていることを確認(鍵がかかっていないこと)
  • 座る席は出口周辺か非常口近くに
  • 地下階などの店舗はリスクが高いので注意が必要
  • 店内に引火の可能性のある装飾物がないか確認
事前にこれだけのことを確認するのは面倒かもしれませんが、次々と起こる火災事故の犠牲者に、あなたがならないという保証はどこにもありません。先日の都内の火災事故においては、炎の燃え上がるところを店内にいた数名が携帯で撮影していたらしいです。危機を察知する能力と行動があなたを救ってくれる唯一の手段であることを自覚してください。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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