水筒も用途に合わせて使い分ける必要があるかも
今回は、そんな様々な水筒から、選ぶポイントがハッキリしていて、実際に使ってみて感心した水筒を二つ、紹介したいと思います。一つは、国産の高い技術力を使った、とても高い保温力(保冷力)を持つ、スリムな水筒。しかも、リサイクル素材としてのステンレスを利用したエコロジー商品です。もう一つは、徹底的に安全性と衛生面にこだわったステンレスのボトル。その耐久性と使いやすさもポイントです。
保温性能と大きさは無関係を証明するスリムさ
SUS「魔法瓶ウルトラスリム(300ml)」3,570円(税込) 他に、200ml(3,150円)、400ml(3,780円)がある。 |
SUSの水筒「魔法瓶ウルトラスリム」は、外径55mmと、とてもスリムな保温保冷対応の水筒です。保温保冷の仕組みは、ステンレスの真空二層構造によるもの。この真空二層構造は、真空の層で輻射熱、熱伝導の両方をシャットアウトする方法で、中の飲み物の温度に影響するのはキャップ周りのみです。そのため、きちんと作られた製品の場合、とても保温保冷力が高いのが特徴です。
鞄に入れても全く邪魔にならないコンパクトさ(鞄はエムピウの「DUNA」) |
また、真空の層の厚さは保温力とは関係なく、どんなに薄くても、真空でさえあればOK。つまり、技術力さえあれば、保温保冷機能のない水筒と、ほとんど変わらない大きさの水筒が作れるのです。そして、この「魔法瓶ウルトラスリム」は、新潟県燕市の企業セブンセブンによる高い金属加工技術で作られたもの。実際、現在、純国産の真空二層式ステンレスボトルは、かなり希少です。実際、ガイド納富が使ってみたところでも、タイガー、象印と並んで、保温力の高さが実感出来ました。特に、熱いお茶を入れた時が効果は顕著で、2時間以上、「飲めないほど熱い」状態をキープしていました。
その保温力がありながら、それこそ、男性ならポケットにでも入れてしまえるほどのスリムさは、鞄に入れても邪魔にならず便利です。また、容量は300mlと少ないのですが(他に、200ml、400mlの製品があります)、例えば、熱々のお茶や、ギンギンに冷えた飲み物を入れておくと、一口飲めば、かなり満足感が得られるので、300mlあれば、かなり長持ちします。保温力があればこその、小容量での効率の良さです。
コップ式のメリットと弱点
フタ兼用のコップに注いで飲むタイプ。コップは二口くらいで飲みきるサイズ |
飲み方は、最近流行りの直接飲むタイプではなく、昔ながらのコップ式。本体がスリムだから、付属するキャップ代わりのコップも小さいのですが、保温力が高いため、このくらいのサイズで十分の満足感が得られます。ただ、コップは二層構造ではないので、熱いお茶を注ぐと、かなり熱くなります。その意味でも、少なめに注いで飲むようにしましょう。
上部の赤いポッチをスライドさせると飲み物が注げる仕掛け。この仕掛けも保温力に繋がっている |
コップ式は、歩きながらの水分補給には確かに向きません。また、いちいち飲むのにコップに注ぐのが面倒と言う人もいるでしょう。しかし、最も熱が出入りしやすい注ぎ口部分を密閉した上に、コップが空気の層を作るため、保温性能はコップ式の方が有利なのです。また、貴重な外出先での飲み物をつい飲み過ぎるということが少ないのもコップ式の魅力。さらに、お湯を入れておいて、ティーバッグなどで好きなお茶が作れるのも、コップ式の良さです。
真空二層構造の部分からスクリューの口金の自然な繋がりに技術の高さが感じられる |
あと、これはスリムさ故の弱点なのですが、口が小さくて、普通の製氷皿で作った氷だと、大き過ぎて入りません。冷たい飲み物を入れる時は、クラッシュドアイスなどの、細かい氷が必要になります。とはいえ、このスリムさが魅力の一つなので、これは欠点とは言えませんね。
ただ、ガイド納富が使ってみた印象では、熱いコーヒーやお茶などを入れて、少量づつ飲む、という使い方が一番合っていると思いました。冷たい飲み物はどうしてもゴクゴク飲みたいし、氷も入れにくいので、それほど向いていないように感じました。ただし、とても美味い冷茶や水出しコーヒーをギンギンに冷やして、この「魔法瓶ウルトラスリム」に入れて持ち歩いて、時々、コップに少量注いで飲むのは、かなり幸せな体験でした。特別な一杯を入れておきたいボトルでもあります。