傘は進化することが出来るのか

SENZ「SENZ Umbrellas MIni」
各6,825円(税込)(他に黒もある)

考えてみれば、もう随分長い間、傘の形は変わっていません。浮世絵に描かれている傘も、材質は違えど、その形状や雨を避けるメカニズムは同じです。様々なモノが進化し使いやすくなっていく中で、傘は、折畳みやワンタッチといった細部の工夫はあっても、傘が傘であることは変わりません。

多分、それは雨を避けるための、最もミニマムで扱いやすい形状だからです。最初から完成度が高かったのでしょう。だから、もしかすると、この先もずっと、雨を避ける道具としての傘は、このままの形で居続けるのかもしれません。それはそれで、何だか嬉しいような気もします。

ただ、傘は、その形状の特徴として風に弱いという欠点があります。広重の東海道五十三次「庄野 白雨」には、傘をすぼめて風に飛ばされないようにして歩く旅人が描かれていますが、この姿は、今でも変わりありません。雨に対してのメカニズムは完成しているとして、風に対して傘に出来ることは無いか、その方向からのアプローチの一つの成果が、今回紹介する「SENZ Umbrellas」です。

傘を流線型にすることで風を逃がす

空気力学によって作られた流線型のフォルム

見ればお分かりだと思いますが、この「SENZ Umbrellas」は、前部が短く後部が長い独特の形状になっています。この流線型の形状が、風を受けにくくして、正面が風の方向に自動的に向くというのですが、そういう説明だけではよく分からなかったので、とにかく実際に試してみました。

ガイド納富の家の側には、都内でも有数の強風ポイントがあり、雨の日でも傘をさすのが困難な交差点があります。強風の日に、そのポイントで「SENZ Umbrellas」を使ってみた感想は、一言で言えば、これなら風は怖くない、でした。とにかく、前方の短くなっている側を風の来る方向に向けてさえいれば、かなりの強風でも、傘が上から押さえつけられるような感覚がして、それだけです。風が傘の上を滑っていくような感じでしょうか。

下から見るとこんな感じ。左中央のロゴがポイント。

傘の正面には、小さなロゴが印刷されているので、正面を簡単に確認することが出来ます。これが意外に大きなポイントで、この独自の形状は、風に対して正面を向いていないと正しく機能しません。だから正面がどこかが重要になるわけです。一応、風の方向に向くようにはなっているのですが、柄を握っている手までは自動的には回らないので、やはり確認が必要になります。

しなって折れにくいグラスファイバーフレームを使用

ウレタンの柄とグラスファイバーのフレーム

風に関しては、本当に役立つことが分かりました。一方、傘としてもフレームはグラスファイーバーを使っていたり、持ち手はしっかり握れるようにウレタン素材になっていたりと、細部にもこだわった作り。前が短く後ろが長いスタイルは、対風用途だけでなく、前方の視界を確保しつつ、つい疎かになりがちの背中への水垂れ対策にも効果的です。

横幅が85cm(長傘は89cm)と短いので手に持っているカバンなどが濡れるのではと心配でしたが、さほど濡れることも無く、雨傘としての機能は十分果たせているサイズです。ただ、人を入れるのには向いていませんでした(最も自分を犠牲にして相手をしっかり雨からガードという用途にはバッチリです)。あと、やはりこの形状は結構目立つので、TPOは考えた方が良さそうです。


次のページでは、「SENZ Umbrellas」の長傘バージョンの紹介と欠点について書きます