つまみやスイッチを操作する快感と憧れ

バード電子「マイクロミキサー DJ-5」
15,000円(税込)

iPodの成功は、操作ボタンを極端に減らしたシンプルなインターフェイスの採用から始まりました。シンプルで使いやすい、というのは日常的に使う道具には欠かせない要素です。でも、その一方で、人間には機械に対する何ともいえない憧れがあります。何に使うかはともかく、スイッチやつまみが沢山ついた機械を、うっかりカッコいいと思ってしまう、そんな気持ちを、子供の頃から持ち続けていたりします。

かつて、ガイド納富の世代に、そんな気持ちの受け皿になったのは、ラジカセだったり、アナログシンセサイザーだったりしました。もう少し下の世代でも、CDラジカセやMDウォークマン、シーケンサーやマルチエフェクターなどの、沢山のスイッチ類が並ぶ機器に燃えた覚えがあると思います。

こうして例を挙げると何故か、音響関係の機器が多いのですが、これは多分、子供の生活に近いところにある機械が音響関係だったりするということでしょう。その中で、最大の憧れといえば、やはりミキシングコンソール、通称ミキサーではないでしょうか。あの、ずらりと並ぶフェーダー(スライド式のボリュームコントローラー)だけでも、心躍らされるものがあります。

バード電子では、そんなミキサーへの憧れを形にするために、長い時間をかけて、いくつものミニミキサーを発表してきました。そして、ついにたどり着いた一つの完成形が「DJ-5」、つまりバード電子五世代目のミニミキサー。一般的なミキサー遊び用なら、実はそれ以前のモデルで十分なのですが、そんな一般的な実用性を越えて、かつて抱いたミキサーへの憧れを、そのまま形にしたバード電子のこだわりが、カッコ良いと思うのです。

シンプルながらミキシングに必要な機能を網羅した本格派

二台のiPodの音を自由自在にミキシング

ミキサーといっても、2チャンネル、つまり二つの音源からの音をミックスするだけなので、操作はとても簡単。基本操作は、iPodとか、MDウォークマン、ニンテンドーDSとか、携帯電話とか、ビデオカメラとか、ともかく音声出力がある機器を二台、それぞれINPUT 1とINPUT 2の端子に接続(この接続のためのケーブルが付属しているのも、この製品の嬉しいところ)。OUTPUT端子にイヤフォンを繋いで、電源をオン。後は、二つのフェーダーを上下に動かせば、二つの音源から出る音を、自分の好きな音量でミックスして楽しめます。

これが基本的な使い方。フェーダーを動かすのが気持ち良いから、これだけでも十分遊べてしまいます(ただ、これだけで良いなら、次ページで紹介している、もっと安価で扱いやすい「DJ-4」シリーズがお勧め)。ところが、この「DJ-5」は、通常のOUTPUTの他に、ヘッドフォン端子が別に用意されています。そこが、本格派の由縁です。

フェーダー×2、モニターボリューム×2、モニター切替スイッチ、電源スイッチ、INPUT×2、OUTPUT、モニター出力を搭載

パネル中央にあるスライドスイッチを左側にスライドさせると、ヘッドフォン端子からはINPUT 1に繋いだ音源の音だけが聞こえます。同じく、右にスライドすれば、INPUT 2に繋いだ音源の音だけが聞こえるようになっています。この間も、OUTPUTからは両方の音が混ざった音が聞こえています。スライドスイッチを中央にセットすれば、ヘッドフォン端子からもミキシングされた音が聞こえるわけです。

この操作は、どちらかのフェーダーを最小にして、片方の音源からの音だけにしている時でも有効なので、例えば、INPUT 1のiPodに入れた曲を流しながら、INPUT 2に繋いだ別のiPodで次の曲の流したい部分の頭出しをして、再びミックス状態で聴きながら、タイミングを合わせて曲スタート&フェードイン、といった作業も行えるわけです。

音で遊ぶだけでなく、楽器の練習からネットラジオの収録まで

単三乾電池二本で駆動

電池駆動のデジタルアンプが内蔵されているので、ミックスによる音の減衰もありません。とはいえ、アウトプットされるのはヘッドフォンを鳴らせる程度なので、スピーカーを鳴らそうと思ったら、アウトプットをアンプ付きのスピーカーに繋ぐ必要があります。iPod用のスピーカーなどで外部入力端子がついたものなら、そのまま利用出来ます。

一方、入力側は、iPodなどのイヤフォンを鳴らせるレベルの出力端子があれば利用可能。エレキギターなどは間に「スモーキー」などの小型のアンプやヘッドフォンアンプを入れればOK。キーボード類はヘッドフォン端子が使えます。ガイド納富は片方にiPodを、もう片方にスモーキーアンプを経由したエレキギターを繋いで、音楽に合わせてギターを弾いて遊んでいます。スイッチ一つでギターだけ、音楽だけ、ミックス、と切り替えられるので練習するのに便利なのです。音楽とギターの音量のバランスを細かく調整出来るのも魅力です。

また、ネットラジオやポッドキャスト用の音声を録音しておいて、そこに音楽を重ねたり、落語などの話芸に、自分なりのBGMを添えてみたりと、遊び方は様々。パーティーなどでBGMを、その場のノリで決めながらノンストップで繋いでいくのも簡単です。あとは、エフェクター用のインサート入出力とリバーブがあれば、手のひらスタジオが完成してしまう、そのくらい楽しいミキサーなのです。

次のページでは、バード電子製小型ミキサーの歴史を一挙紹介します。軽くミキサーで遊びたいという方もこちらへ。