中国茶から紅茶まで淹れられる本格的でコンパクトな急須
海風號「小漢瓦壷」各色15,000円
(税込)
容量80ccの一人用サイズ。 |
茶漉し付きマグカップで飲むのも、気楽で良いのですが、仕事の手を休めて休憩する時や、仕事が一段落した時、ちょっと良い茶葉を手に入れた時や、お茶を淹れるという行為を楽しみたい時(これが意外にリラックス出来るんですよ)などは、急須できちんと淹れたお茶を飲むのも良いものです。
ただ、その場合も、あまり面倒臭いのはイヤですし、だからといって安っぽいものでは、玩ぶ楽しみが感じられません。そんな時にガイド納富が使っているのが、小漢瓦壷と名付けられた、小さな中国茶用の急須。中国茶用の急須の事を、通常、茶壷(ちゃふう、と読んだりします)と言います。なので、中国茶用の急須には、漢瓦壷とか倣古壷といったように、「壷」の文字がついた名前になるようです。
この「小漢瓦壷」は、東京は東麻布にある中国茶や茶器、中国古玩などを扱う海風號という店で、そこのご主人がプロデュースして作らせたもの。中国では古くからある急須の形なのですが、ここ数十年、あまり作られていなかったものを復活させたシリーズの一つです。手のひらサイズの小さな急須なので、持ち歩くにも、デスクに置いておくにも邪魔になりません。
茶葉が出し入れしやすく、失敗しない急須
海風號「復古漢瓦壷」15,000円
(税込)
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この写真の急須も、漢瓦壷の一種ですが、こちらは海風號の主人が持っていた古い煎茶道用の急須を元に主人自らがデザインして作らせたもの。なので「復古漢瓦壷」と名付けられています。真直ぐな平たい円柱状のデザインが特徴的ですね(このデザインを盗用して粗悪品を安く売っていることがあるようです。類似品にご注意ください)。
口が広く突起がないのでとても使いやすい
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これらの漢瓦壷に共通する特徴は、蓋が広く、開けると中が見渡せる構造になっている事。なので、茶葉の出し入れが簡単で、お茶を淹れる時は、茶葉の量のコントロールがしやすく、片づける時は、茶葉を簡単に捨てる事が出来、すすぎ洗いも楽に行えるのです。仕事の合間に使う茶道具として、メインテナンスのしやすさは重要なのです。また、不要な装飾がなく機能的なデザインなので、扱いやすく、しかも見ていて飽きが来ません。
小振りの茶杯にちょうど一杯の気楽な淹れ方がオススメ
最後の一滴まで淹れられて簡単なツッコミ方式
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淹れ方も簡単。ざっとお湯を注いで温めた小漢瓦壷と小振りの茶杯(湯呑み)を用意して、小漢瓦壷に茶葉を淹れます。分量は、中国茶に多い丸まった茶葉なら、急須の底に敷き詰めるくらい、日本茶のようなカットリーフのタイプは、底に2重に敷き詰めるくらい、嵩張る感じの茶葉は、半分の高さより少し上くらいを基準に、好みで増減してください。小漢瓦壷は中が見渡せるので、茶葉の量が把握しやすいのが特徴。好みの茶葉の量を覚えておけば、次から絶対失敗しません。
お湯を小漢瓦壷にいっぱい注いで、30秒~45秒くらいで写真のように、茶杯に小漢瓦壷を突っ込みます。これで、最後の一滴までお茶を出す事が出来ますし、他の茶器も要らず、片づけも簡単。机の上で場所も取らないので、少ないスペースで本格的にお茶を淹れる事が出来るわけです。後は、二煎目、三煎目と適当に抽出時間を調整しながら好みの濃さで淹れていきます。ガイド納富も、淹れては飲む、その繰り返しの中で、思わぬアイディアが浮かぶ事があります。
ガイド納富の「こだわりチェック」
左:海風號「金奨鉄観音」50g、2000円
右:海風號「特選宜興紅茶」30g、2000円 |
日常的に使えて、気に入っている茶器があるというのは、これが中々楽しいものです。普通に飲むお茶も、かなり美味しく感じられるものなのですが、そうなると欲しくなるのが定番の茶葉です。頂き物や、その時の気分で飲みたい茶葉も良いのですが、いちいち、今日は何を飲もうとか考えずに飲める、いつものお茶があると、さらに楽になります。
この時期、ガイド納富はオススメなのは、例えば海風號の「金奨鉄観音」という茶葉。マグカップでゴクゴク飲むのにも、急須でじっくり淹れるのにも向く、オールマイティな中国茶です。焙煎の甘味と、お茶の味わいのバランスが良くて、どこか懐かしいような香りと、尖ったところの無い柔らかな味で、どんな状態の時に飲んでも美味しいと思えるお茶だと思います。価格もリーズナブルなので、仕事の最中のがぶ飲みにも向いています。
また、海風號の「宜興紅茶」も、寒くなってくるととても嬉しい紅茶です。喉の奥に感じるコクと、スッキリした口あたり、しかも紅茶なのに何煎も長く楽しめます。身体も温まるし、今回紹介した漢瓦壷などの中国の急須で淹れると、味わいに丸みが出て、マグカップで飲むのとは違った風味も楽しめます。適当に淹れても美味しく入るのでガイド納富は仕事明けのお茶として重宝しています(ふらふらしてても美味しく淹れられるので)。
さらに、漢瓦壷シリーズの場合、使い続けていると、ボディに艶が出てきて、しかもお茶も、より美味しく入るようになっていきます。革製品のような育てる楽しみもあるわけです。そのため、使い終わった時に洗剤などでは洗わず、ざっとすすぐだけに留めなければなりません。でも、そっちの方が面倒がなくて有り難いくらいですから、一石二鳥。急須で淹れるのは、茶漉し付きマグカップより面倒ではありますが、その分、楽しみも色々。そのあたりを上手く使い分けるのは、茶器もステーショナリーも同じだと思うのです。
<関連リンク>
・近藤康夫デザイン、有田HOUENの「CHAKIマグ」はスタイルストアで購入出来ます。
・有田HOUENの公式サイトはこちら
・小漢瓦壷(赤)は海風號電脳商城で購入出来ます。
・小漢瓦壷(黄)は海風號電脳商城で購入出来ます。
・古漢瓦壷は海風號電脳商城で購入出来ます。
(粗悪品が別ルートで出回っているようです。ご注意ください)
・海風號の「金奨鉄観音」は、こちらで購入出来ます。
・海風號の「特選宜興紅茶」は、こちらから購入出来ます。
・海風號のショッピングサイト「電脳商城」はこちら
・東麻布の海風號、公式サイトはこちらから
・中国茶の情報は、平田公一さんがガイドを務めるAllAbout中国茶でどうぞ。
・ガイド納富が書いたお茶の本「Drinkin' Cha」の購入はこちらから