男のこだわりグッズ/ブックカバー

記憶を保存するロディア初の綴じノート

鮮やかなオレンジ表紙のブロックメモの「ロディア」から、まるで高級な本のようなノートが発売されます。その、遂に登場したモールスキンのライバルの試用レポートをお送りします。良いノートですよ。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド


メモにこだわるロディアが綴じノートを出すということ

ロディア「ePUREノートブック」
大・各色 2,625円(税込)
小・各色
1,680円(税込)

ロディアは「メモ」に関して、他には見られないこだわりを持ち続けています。ポケットサイズからA4サイズまで同じデザイン、同じ機能のメモ帳が揃い、そのどれもが切り離して使うことを前提にしているという部分だけでも、メモへのこだわりは十分感じられると思います。また、リングノートなども、その多くは一枚一枚切り離せるようになっています。

そんなロディアから、切り離さず、書いた内容を長く保存するためのノートが発売されます。元々、ヨーロッパではノートは製本して保存し、先祖代々受け継ぐべきものだったようで、クレールフォンテーヌなどでは、立派な装丁の綴じノートが売られています。その伝統に対して、あくまでも「メモ」としてのスタンスを守ってきたロディアですから、遂に出した、という感じがするんですね。

登場した製品は「ePUREノートブック」、ePUREは「エピュレ」と読むそうです。写真を見てもらうと分かると思うのですが、ガイド納富も最初に発表会で見た時には、モールスキンのライバルか、と思いました。しかし、実際に使って見ると、そう単純なものではないかもしれないと思えてきました。もちろん、モールスキンを意識しているとは思いますし、ほとんどライバルらしいライバルがいなかったモールスキンに、遂に登場したライバルであることは違いないのですが、そのコンセプトはちょっとモールスキンとは違っているようです。

手に馴染む表紙の素材とサイズの設計

帯を外すとこんな感じ。普通はこの状態で使う

この「ePUREノートブック」の最大の特徴は、柔らかな合成皮革で作られた表紙と、その表紙の大きさとぴったり重なる中の紙、そして、丸く曲線を描く背表紙という、独自の設計でしょう。このノートを手にした時に、どこかで持ったことがあるような気がしました。思い出すと、それは、古い海外のホテルに置かれている革表紙の小さな聖書や、子供の頃に流行ったポケットサイズの英和辞書などの感触に似ているような気がしました。とても、しっとりと手に馴染みます。

表紙の刻印で裏表が簡単に識別できる。

表紙の質感だけではなく、表紙と中の紙の大きさがピッタリ揃っているところも、持ち心地の良さに繋がります。文庫本などもそうですが、表紙と中の紙に大きさの違いがないほど、ページはめくりやすく、開いた状態で留めやすいものです。モールスキンが使いやすいのも、紙と表紙の間の大きさの差が小さいからですが、このノートは全く同じ大きさに揃えてあって、その徹底ぶりに感動します。

大きさは、小(10.5×14cm)の方が、モールスキンより縦に短く、横に長いデザインで、厚みはモールスキンの倍近くあります。大(14.8×21cm)の方は、モールスキンのラージより、縦に短く横に長いサイズ。それぞれ小はロディアのNo.13、大はロディアのNo.16とほぼ同じサイズになっています。

曲線の多用は持ちやすさと読みやすさに繋がる

高度な製本技術が生む背表紙の絶妙な丸み

立ったまま使うことを前提にしたモールスキンに対し、この「ePUREノートブック」は、机で書く事が前提になっているようです。思いついたことを書き留めるのではなく、メモなどに書いたモノの中から保存しておきたい内容を、きちんと書き写したり、アイディアの核となる部分などの、ある程度形になった思考などを記録するためのノートになっています。だから、「ePUREノートブック」には表紙を留めるゴムバンドやポケットなどが付いていないのです。

その分、書いた内容の読みやすさは、この手の綴じノートの中でもナンバーワンだと思うのです。背表紙が丸く曲線を描いているのに、小口は水平という、ちょっと他にはない製本スタイルは、しかし、本当にパラパラとめくりやすく、手にしっくりと収まります。ページ数も240ページ(モールスキンはポケットが192ページ、ラージが240ページ)と、十分なボリューム。一つのアイディアに一冊という感じで使えます。

厚手の真っ白な紙は裏写りの心配が少なく筆記具を選ばない

色んなペンで試し書きしてみました

ロディアの製品は、これまで全て80グラムの厚さの紙が使われていました。ところが、この「ePUREノートブック」に使われているのは、真っ白な100グラムの厚さの紙。腰のある厚手の紙は、破れにくく、インクの乗りが良くて、万年筆やゲルインク、水性ボールペンなどとの相性がとても良い感じでした。とても使いやすいのだけれどモールスキンでは裏写りするラミーの「スウィフト」や「ティポ」も裏写りを心配せずに書けます(ただし、強い筆圧で押し付けるように書くと裏写りします)。

ガイド納富としては、やはり万年筆での書き味が好きでした。やや滑り過ぎるくらいスラスラ書ける紙なので、万年筆で筆圧をかけずにペンの重さで書くととても気持ちが良いのです。インクの発色が良いので、複数の色のインクを使っても、良い感じの紙面に仕上げることが出来そうです。やや横幅が広い紙のサイズは、文字や絵をスタイリッシュに配置できます。


ガイド納富の「こだわりチェック」

モールスキンは、持っているだけで書きたくなるノートだと言われます。そんな魅力のノートはモールスキンだけでした。ただ、他に選択肢が無いというのは、決して良いことではなかったと思うのです。そこに、この「ePUREノートブック」が登場したのは、ノート好きにとって喜ばしいことです。色が黒だけでなくオレンジがあるのも嬉しいですね。

何よりこのノートの背表紙のキレイさは、何冊も本棚に並べて置きたくなるカッコ良さです。そして、書かれた内容を読むという点では、モールスキンを大きく突き放すスペックの高さです。ガイド納富は、ロディアメモに書き留めた断片を整理するためのノートとして利用していますが、他にも、個展やショップの芳名帳として使ったり、手作りのマニュアルにしたり、といった使い方が出来るのも、この「ePUREノートブック」ならではではないでしょうか。そして、案外価格が手頃なのも、ポイント高いですね。

お知らせ
・4月16日から18日まで、青山・スパイラル1Fショウケースで、ロディアフェアが開催されます。正式発売前の「ePUREノートブック」や、他の新製品も購入できます。
http://www.spiral.co.jp/event/showcase/


<関連リンク>

ロディアの公式サイト(クオバディス・ジャパン)はこちら
(ePUREノートブック他の新製品の情報は、まだ記載なし)

・ロディアのePUREノートブックはスタイルストアでも購入できます

・ロディアのメモはスタイルストアでも購入できます

日本が誇る美篶堂の綴じノート紹介記事はこちら


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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