ティッシュペーパーは使いたいけれど…
YAMASAKI DESIGN WORKS「ティッシュボックス」 |
例えば、自分好みの調度品や文房具、小物を揃えた書斎にティッシュペーパーを置きたいか、という問題があります。無いと困るというか、あると便利というか、手元に置いておきたい、生活必需品とも言えるティッシュペーパーですが、その必需品であるという事実から来る濃い生活感や、紙が垂れてどことなく情けない風情は、書斎などのお気に入りの空間には置き辛いものがあります。
それはリビング、キッチンなどでも同様のようで、世の中には様々なティッシュカバーやティッシュボックスがあります。しかし、その多くはリビング用のもので、こだわりの空間向きというと、重厚な木製のボックス型のものくらいしか選択肢がありませんでした。ならば、むしろ最近のティッシュペーパーの、きちんとデザインされた紙箱でも良いとも言えます。
YAMASAKI DESIGN WORKSの「ティッシュボックス」(以下「YMSK ティッシュボックス」と表記)を見た時、そんなティッシュペーパー周りの問題をスマートに解決してくれるケースだなと思いました。そのデザインは、ティッシュペーパーの置き場所についての問題を、見事に解決してくれるものだったのです。ステンレスと木を使った風合いも、ガイド納富の好みでしたし。
フロントローディングのティッシュボックスという発想
ティッシュを横から入れて前から取りだす構造
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「YMSK ティッシュボックス」の最大の特徴は、ティッシュペーパーの取り出し方です。通常、上を向いて紙が出ているのですが、このボックスでは、紙が横を向いて出ています。そのため、ボックスの後ろや左右にモノが置かれても、紙の取出はスムーズです。また、上にモノを置くことさえ出来るのです。
ステンレスの板を互い違いのコの字に曲げることで、ティッシュペーパーはボックスの前から取り出せます。つまりフロントローディングのティッシュボックスなのです。このスタイルにすることで、前述した置き場所の問題以外にも、使って見ると色々とメリットがあることに気がつきました。まず、紙が必要以上に露出しないため、見た目がスッキリすること。机上などに置いた場合の取り出しやすさ、ステンレスの重さがティッシュ全体をしっかりと支えていて、紙だけを取り出せることなどです。
何より、このボックスの重みが魅力です。紙を多少乱暴に引っ張っても、ケースが動かないのです。たったそれだけのことが、ティッシュペーパーをこれだけ使いやすくするとは、このボックスを使ってみるまで知らなかったことでした。また、一枚一枚を間違いなく引き出すのにも、この方式が適しているようです。
木とステンレスとマグネットのシンプル構造によるシャープなデザイン
横の木の部分はマグネットで本体に装着
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左右の木製の部分は、マグネットでくっついているだけなので、簡単に取り外せます。なので、紙の補充もスムーズ。この木製部分の色が二種類用意されているので、置きたい部屋のムードに合わせて選ぶことが出来ます。ステンレスがまたキレイで、きちんと拭いてやると、ふわりと周囲の色を反射して、部屋によく馴染むのです。
デザインそのものを単独で見ると、ステンレスのシャープなイメージが強く、部屋を選びそうですが、ステンレス板が薄く左右の木がしっかりしているので、和風洋風を問わず、好きな場所に置けます。リビングにも合うし、書斎にも合うというのは、中々凄いことだと思うのです。
縦置きも棚の中に置くことも出来るフレキシビリティ
本棚に立てて置くこともできる
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フロントローディングでハードケースという特徴を活かせば、写真のように本棚の中に縦置きすることも出来ます。このように置けば、置き場所の問題はほとんど解決です。うっかりすると、どこにティッシュがあるのか分からないくらい目立ちませんから、ティッシュペーパーのせいで、お気に入りの空間を台無しにするということはありません。
もちろん、サイドテーブルに置いて、その上にテレビのリモコンを置くとか、棚の中に横置きして上にモノを重ねるとか、壁にぴったりと付けて置くとか、置き場所は自由自在。ネックと言えば、ティッシュボックスごと持ち運んだり、放り投げたり出来ないことくらいでしょうか。その意味では、リビングよりも書斎やキッチンなどの、置き場所を動かさない使い方の方が向いているようです。
ガイド納富の「こだわりチェック」
ティッシュペーパーを、部屋のどこに、どのように置くかというのは、どうでも良いようで、実際に直面すると難しい問題です。常に使いやすいように手元に置いておきたいけれど、いつも目に入るところに置くと美観を損なうというか、せっかくの自分の空間の邪魔になってしまいます。ではケースに入れて、と思っても、ティッシュペーパーは存外大きくて、ケースもティッシュであることを主張することには変わりがなかったりします。
そのせいか、ティッシュペーパーは部屋に置かないという人も多いようです。ガイド納富もティッシュペーパーとゴミ箱は、書斎的に使う部屋には置きにくいと、ずっと感じていました。この「YMSK ティッシュボックス」が、その全てを解決してくれるというわけではありませんが、単に男のこだわりの部屋に置けるデザインであるという部分に留まらず、機能や置き場所についての見直しも図られているということが素晴らしいと思うのです。
こういうデザインのティッシュボックスが出てくることで、ティッシュペーパーを部屋に置く際の問題が、単にデザインや美観だけでないということがハッキリしました。そういう製品が一つ出てくると、そこにデザイン上の目的が生まれます。そういう最初の製品としての価値も含めて、ガイド納富はこの「YMSK ティッシュボックス」が好きなのです。しかも、最初の一つだというのに、完成度がとても高いのですから、文句無し、というところでしょうか。
<関連リンク>
・「YMSK
ティッシュボックス」はスタイルストアで購入できます
・アシストオンの「YMSK
ティッシュボックス」解説&購入ページには、この製品をデザインした山崎宏氏のインタビューも掲載
・「YMSK ティッシュボックス」をデザインしたデザイナー山崎宏氏のホームページ
・山崎宏氏デザインの「YMSK"ぺンホルダー"」を紹介したガイド記事「ペンを持ち歩くために ~ YMSK"ぺンホルダー"の速度」
・山崎宏氏デザインの「YMSK"名刺&メモホルダー"」を紹介したガイド記事「これだけ持ってミーティングに行けるツール」