使いやすさの秘密「静電容量無接点方式」
PFU「HHKB Professional 2」24,999円(税込)
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前ページで紹介した、「HHKB PRO HG」シリーズの普及版、「HHKB PRO 2」シリーズは、ボディがアルミ削り出しではないこと、背面が鏡面仕上げでないこと、チルトの角度の細かい変更が出来ないこと以外は、HGシリーズのスタンダード版と全く同じ。それで価格は24,999円。キーボードとしては高い方ですが、キーボードを筆記具の一つと考えるこだわりのユーザーにとっては、むしろ安いくらいの製品です。
ガイド納富も愛用しているのですが、とにかくミスタッチが少なくて済むのと、長時間の打鍵でも疲れないのが、何よりのポイント。その秘密が、前のページでも少し触れましたが、静電容量無接点方式と呼ばれる、キー部分の仕組みです。現在、多くのキーボードは「メンブレン方式」と呼ばれる、キーがゴム状のシートの上にあって、キーを押し込むことで下のスイッチが入る、という方式を採用しています。この方式は、安価に出来るのですが、その構造上、どうしてもキータッチがぶよっとしてしまい、また、ほぼ同時に入力されたキーのどちらかが入力されないなど、高速で打つ人や長時間打つ人には使いにくいものでした。また物理的な接点のオンオフを行うので耐久性にも限界がありました。
キーボードの構造比較図(右が無接点方式)
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その点、静電容量無接点方式はやや高価になるものの、接点が無いため耐久性が高く、三千万回の打鍵にも耐えるのだそうです。さらに、微妙な押し加減も入力に反映するため、複数のキーを同時に打鍵しても、わずかでも速いほうを優先して入力できます。これはキー入力が速い人なら是非欲しい機能でしょう。またキータッチが軽く、最後まで押し込まなくても入力できるため、いわゆる「押したつもり」がありません。これでミスタッチがかなり減るのは、ガイド納富も体験済みです。
さらに幅広いユーザーに対応する無接点方式キーボード
東プレ「REAL FORCE」シリーズ
東プレ「Realforce91UBK」実勢価格19000円前後
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HAPPY HACKING KEYBOARDは、必要最小限のキーで、複数キーのコンビネーションに慣れているユーザー向けの製品です。だから、SEの方やパソコン雑誌の編集部、テクニカルライターといった、いわゆるITの現場でプロが愛用するキーボードだと言えるでしょう。実際、そのあたりでの評価の高さは凄いものがあります。一方で、とにかく長時間打鍵するオペレーターや、銀行などの金融機関などの、いわゆる入力のプロの方々が愛用するのが、東プレのキーボードです。東プレのキーボード「REAL FORCE」シリーズは自社開発による静電容量無接点方式を採用しているので、その打ちやすさや高速入力に対する反応の良さなど、HAPPY HACKING KEYBOARDに勝るとも劣りません。カーソルキーやファンクションキーが付いているタイプなので、幅広いユーザーが使えるのも嬉しいところ。もちろん3000万回の打鍵に耐える耐久性も持っています。
ガイド納富の知人が、かつてパソコンに付属していたキーボードから「REAL FORCE」シリーズに乗り換えたところ、乗り換え直後に入力速度が2倍以上になりました(誇張無しの実話です)。元々、速いタイピングが出来る人ほど、その効果は現れやすいようです。
その秘密は、例えば、キーボードの中央部にあるキーは45g、周辺の小指が担当するキーは30gと、キーの重さを変えてあって、どの指にも負担がかからないようになっていること、キーの傾斜角も最適に調整してあること、どれだけ速く打っても、キーがきちんと反応すること、など、細かい部分の使い勝手にこだわって作られているからです。元々、入力のプロの現場で専用のキーボードを開発してきた東プレですから、入力に対するノウハウを沢山持っているのです。その蓄積が、「REAL FORCE」シリーズの使いやすさを支えているのでしょう。
見やすく押しやすいキートップ
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キートップの刻印も昇華印刷を使って樹脂にインクを浸透させているので、長期間の使用でも文字が消えることがありません。また、キー入力のエキスパート向けに、さらに高速入力が可能な全部のキーが30gという軽い設定になっているキーボードもラインアップされています。テンキー付きのタイプもあり、様々なニーズに利用できるのも東プレのキーボードの魅力です。
ガイド納富の「こだわりチェック」
「HHKB PRO HG」シリーズの箱は工芸品のようだ
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普段、キーボードを使い比べるということはあまりありません。でも、時々、他人のキーボードを使った時など、妙な違和感を感じることがあります。それは多分、自分のキーボードがいつの間にか馴染んでしまっているのだと思います。ならば、それは立派な「こだわって選ぶべき道具」なのでしょう。今は、ペンなどで書くよりもキーボードで書く量の方が多い人は珍しくありません。その割にはキーボードへのこだわりは薄いようにも思います。
そう考えれば漆塗りの「HHKB PROFESSIONAL HG JAPAN」も奇を衒った製品ではないことが分かります。本気でこだわったら、そこまで行ってしまうという人は多いかも知れません。実際、ガイド納富は、現在、Macには「HHKB Pro2」を、Windowsには東プレ「Realforce91UBK」を繋いでいますが、もう他のキーボードは使う気になれないほど、このキータッチの打ちやすさに慣れてしまいました。
キーボードが打ちやすいと文章を書くにあたっての苦痛がとても少なくなることに気がつきます。書くことに集中できるので何となく上手く書けるような気さえしてくるようです。今回、紹介したキーボードのどれでも構いませんから、どれか一つで300字くらい打ってから、普段のキーボードに戻ると、その差に歴然とするはずです。本当にビックリします。筆記具を買う時には試し書きが欠かせませんが、キーボードを選ぶ際にも、是非試し打ちをして欲しいのです。それも、出来れば普通のモノと比べてみて下さい。快適なモノの本当の快適さは、比較対象がないと分かりにくいのです。
今はまだ、多くがプロユースとして使われている無接点方式のキーボードですが、この快適さは普通に使う人にこそ味わってもらいたいものです。万年筆を換えるよりも、遥かに衝撃的だと思いますよ。
<関連リンク>
・HHKB
Professional HGシリーズの公式サイト
・HHKB Professional
HGシリーズの購入はアシストオンで
(HHKBの通常モデルも扱われています)
・書斎館のHHKB
Professional HGシリーズ紹介ページ
・HHKB Professional
HGシリーズはPFUの通販ページからも購入できます
・HHKB
Professional2シリーズの公式サイト
・アシストオンの「HHKB
Professional2シリーズ」紹介と販売ページ
・HHKB Professional
2シリーズはPFUの通販ページからも購入できます
・東プレ「RealForce」シリーズの公式サイトはこちら
・東プレ「RealForce」シリーズが手に入る販売店一覧
・東プレのキーボードに関する詳細なレビューもあるキーボード販売サイト、SHOP
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