男のこだわりグッズ/文房具・小道具

「パーフェクトペンシル」の謎を解け(3ページ目)

世界一高い鉛筆として名高いファーバーカステルの「パーフェクトペンシル」。その伯爵コレクションモデルから、UFOパーフェクトペンシル、カステル9000番パーフェクトペンシルをじっくり使い比べました。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド


プラスチック製パーフェクトペンシルの実際

ファーバーカステル
「カステル9000番パーフェクトペンシル」定価:3,150円

「カステル9000番パーフェクトペンシル」は、現在の所、最も安価なパーフェクトペンシルです。1905年に発売されて以来ずっと世界中で愛用された鉛筆「カステル9000番」の100周年記念のための限定モデルで、9000番の代名詞でもある緑の軸と同じ色のエクステンダーが付いています。

プラスチック製ながら、デザインはUFOスタイルではなく、伯爵コレクション版を写したもの。シャープナー周りのデザインなどは、UFOのデザインが苦手だった人にも支持されています。また、木とプラスチックと素材感が違うにも関わらず、同じ色だと思わせる色合わせが出来ている軸とキャップのコンビネーションは、100周年限定モデルに相応しい丁寧な仕事だと思います。

サイズは9000番鉛筆に合わせてあるので、UFO同様、普通の鉛筆が使えます。また、他のパーフェクトペンシルと違い、専用鉛筆には、「B」と「HB」の二種類の硬さが用意されています。HBは、やはり通常の鉛筆のHBより硬く、H程度の感じですので、鉛筆デッサンなどにも使えます。紙へのノリがとても良いので、絵画用鉛筆としての方が向いているのかも知れません。

鉛筆としての「パーフェクトペンシル」

それぞれに個性的な専用鉛筆たち

例えば、ボールペンや万年筆ではなく「鉛筆」が使いたい、という場合、パーフェクトペンシルを選択するというのは、あまり正解とは言い難い気もします。消せる、ということではシャープペンシル、それもファーバーカステルのシャープペンシルは、とても使いやすい道具です。同時に持ちものとしての喜びもあります。

シャープペンではなく、太い芯が好きなんだという人には、いわゆる芯フォルダ系のものが使いやすいと思います。しかも、シャープペンも芯フォルダも、「携帯する」「書く」「消す」を1本の中に備えていて、シャープペンなら「削る」も必要がない、という形で内包しています。

ただ、それにも増して魅力的だと思えるのは、やはり木の軸であり、使っていけば減っていくということだと思うのです。使っている鉛筆がだんだん短くなって、エクステンションを付けてでも書いて、それでも書けなくなると、また新しい鉛筆を削ってキャップに装着。そんな作業が楽しいし、「書く」楽しみを倍増させるのです。


ガイド納富の「こだわりチェック」

「カステル9000番発売100周年記念缶入りセット」
(1,800円)

アイディアをまとめるために、広いノートに発想の断片を書きつけていったり、下書きの下書きのようなメモを作る時など、書いては消せる、濃くも薄くも書ける、軽い、温かい、鉛筆で書きたくなることがあります。そんな時、パーフェクトペンシルが手元にあるというのは、中々心強いものだと思います。実際、ガイド納富も「UFOパーフェクトペンシル」を入手して以来、毎日持ち歩いて鉛筆を活用するようになりました。

鉛筆としては、どう考えても無意味に高く(それは3000円の9000番モデルでさえも)、「書く」「消す」「削る」「運ぶ」が一体になっている、というコンセプトも、様々な筆記具がある現在、それほど有効なものでもなくなっています。そういう意味では、このパーフェクトペンシルは、完全に趣味のものです。ただ、趣味のものだからこそ、細部にまできちんとお金をかけたモノも作れるわけです。そういう意味では、伯爵コレクション版の25000円は高くはありません。ここまで作り込んだら、そりゃこの値段にはなるな、というものなのです。

また、伯爵コレクション版の鉛筆の太さとエクステンションの太さのバランスの良さは、キャップが付いた筆記具全体の中でも抜群です。このバランスを手に入れるためにも、パーフェクトペンシルを持つ意味はあるかも知れません。もっとも、伯爵コレクションの万年筆も、同じバランスとデザインの良さなので、要するに伯爵コレクションがカッコ良いということなのかも知れません。

趣味と実用の両方を取るなら、ガイド納富は「UFOパーフェクトペンシル」をお勧めします。鉛筆そのものの書き味も、UFOが一番良かったように思います。また、毎日持ち歩ける気楽さと、「鉛筆」そのものの質の高さを両方味わえるのもUFOの魅力。9000番は記念品として、持っておきたいと思わせるものですが(同様に100周年記念で発売された9000番鉛筆の缶入りも、買える内に買っておきたいアイテムではあります)、「パーフェクトペンシル」という存在とプラスチックという素材は、どこか不似合いなのです。

ということで、ガイド納富はたっぷりと「パーフェクトペンシル」が使えただけでも満足でした。何と言うか、使うことで何かが充足するグッズではあるのです。レンタルとかあると良いですよね。


<関連リンク>

日本シイベルヘグナーの「伯爵コレクション」ページ
日本シイベルヘグナーの「UFOパーフェクトペンシル」ページ
ファーバーカステルの日本法人「日本シイベルヘグナー」のページ
UFOパーフェクトペンシルの購入はこちら(スタイルストア)
パーフェクトペンシル伯爵コレクションの購入はこちら(ペンハウス)
UFOパーフェクトペンシルの購入はこちら(ワキ文具)
9000番パーフェクトペンシルの購入はこちら(ワキ文具)


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