本の魅力をそのままノートに仕立てる
美篶堂「B7丸背上製ノート(虹色)」
1,680円(税込) |
お茶の水の聖橋にほど近い道路沿いに「美篶堂」(みすずどう、と読みます)という小さなギャラリーのような店があります。ここは、元々、一流の製本技術で出版業界から信頼されている工房のショップ&ギャラリー。製本技術を元にした様々な雑貨が揃い、本や古写真にまつわる展示なども行われています。
特に、美篶堂の製本技術を駆使したオリジナル雑貨は、美篶堂ならではの「モノ造り」の魅力に溢れたもの。例えば、外見は、ハードカバーの本そのもので、本の小口に当たる部分が渋いブラウンに染めてあるノートがあります(「みすずノート小口染め」という商品です。1575円です)。手に取ると、まるでかつてヨーロッパで愛書家が特別に装丁させた本のような、丁寧に造本された書籍ならではの持ち心地の良さが伝わってきます。
圧巻なのは「B7丸背上製ノート(虹色)」(1680円)。様々な色の紙を綴じて作られた文庫本サイズのハードカバーノートです。見事に丸く打ち出された背表紙のカーブがキレイで、その小口のカーブは虹色のグラデーションを描きます。本の小口部分が一つのアートになっているような、しかも、「本」としての魅力に溢れたノートなのです。
聖書や詩集などに時々見られる文庫サイズのハードカバーは、本の中でも最も手に取って嬉しいものの一つ。それがノートになっていて、自分の好きな内容でうめ尽くすことが出来るのです。こういうものをさりげなくプレゼントされたりすると、男女問わず嬉しいと思うのですがいかがでしょう。
製本と紙のコラボレーション雑貨が色々と
美篶堂「アコーディオンアルバム(虹色)」
2,100円(税込) |
美篶堂には、ノートだけでなく、例えば、写真の「アコーディオンアルバム(虹色)」(2100円)のような、ジャバラ形のフォトアルバムなども売っています。これは経本などを作る技術を応用したもの。虹色の紙を上手く使って、次々と台紙の色が変わる珍しいフォトアルバムに仕上げているのです。
付属のフォトコーナー(112枚、写真28枚分)を使って写真を貼り付けたり、ラベルなどのコレクションを貼り付けたりと、中に、様々なものを貼り付けることで完成する「本」として使うことが出来ます。このアコーディオンアルバムは、写真の虹色の他、紺、黒、白、アイボリーなどの、台紙や表紙が単色のものも用意されているので、用途や好みによって使い分けると、さらに楽しめそうです。
他にも、小さな豆本タイプのノートや、布張りソフトカバーの「みすずノート デザイン帖」(これがまた、スケッチやアイディアメモなどに最適)など、紙を綴じる、製本するといった作業の中で生まれた商品が、小さな店内にギッシリと並んでいます。本や手帳、ノートなどの、いわゆる紙モノが好きな人なら、そこにあるもの全てが欲しくなるような、そんなショップなのです。
ガイド納富の「こだわりチェック」
高い技術に支えられた美篶堂のノートは、どれも、その持ち心地や開き具合など、本が好きな人には堪えられない魅力に溢れています。布や紙、糊にいたるまで厳選しているこだわりは、大量生産の書籍ではほとんど見られなくなっています。本を手にとる快感を知るためにも、是非、一度手に取ってもらいたい逸品揃いだと思います。
今回、ガイド納富がセレクトした、「B7丸背上製ノート(虹色)」や「アコーディオンアルバム(虹色)」は、使われている紙が濃い色なので、普通の黒や青の筆記具では書いた文字や絵が見えにくいかも知れません。かつて、黒い用紙にラメ入りのボールペンで書くのが女子中高生を中心に流行りましたが、大人のセレクトとしてはメタリックカラーの色鉛筆がオススメ。イギリスの老舗色鉛筆メーカー「ダーウェント」のメタリック・シリーズなら美篶堂で扱われているので、プレゼントの場合は、一緒に購入すると良いでしょう。
紹介した商品は、どれも手作りで全ての商品が必ず店頭にあるとは限らないようです。しかし、例えば「B7丸背上製ノート(虹色)」がなくても、小口が淡い色のグラデーションになる「霞色」タイプならあるかも知れません。他にも、魅力的なノートが沢山見つかるはずです。この手の商品は、手に取ってみて初めて、その良さが分かったりするものなので、出来れば、色々と手に取って、自分にとって最上の一冊を選んでもらいたいと思います。
<関連リンク>
・美篶堂のホームページ
・美篶堂のオンラインショップ
・タコシェでも美篶堂の商品を扱っています
・fabstyle.comでは「みすずノート 小口染め」の詳しい情報と購入が出来ます
・fabstyle.comの、アコーディオンアルバムのページ
・ダーウェントの色鉛筆「メタリックシリーズ」はこちらから