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Vague特集第二弾・名品「ZERO」をめぐって 腕時計の楽しさを凝縮した逸品

前回紹介したVagueのオリジナル腕時計の中で、ガイド納富が最も気に入って、普段使っている腕時計「ZERO」を詳しく紹介します。安価で気軽にアンティークウォッチを楽しむというVagueのコンセプトの真骨頂を見てください。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド


Vague「ZERO」 41,790円(税込み)

▼ 幻の名品をモチーフにした逸品「ZERO」
前回、取り上げた、「アンティークの腕時計の魅力を気軽に楽しめる腕時計を作る」をコンセプトにしたヴァーグの時計達。その中でガイド納富が最も気に入ったのが(というか、既に愛用しているのが)、かつてプロトタイプとして世界に6台くらいのみ作られたらしいという「ROLEX ZEROGRAPHE」をモチーフにした「ZERO」です。

オリジナルは1500万円で市場に出れば安いといってアッと言う間に買い手が付くというようなもの。ほとんど写真などでしか見ることがない幻の名品です。そのオリジナルに出来るだけ近づけるというコンセプトで、細部まで妥協せずにこだわって作られているので、その出来は、毎日使っている私から見ても、十分満足がいくものです。

逆回転防止機構付きのベゼルはごつ過ぎず、華奢過ぎず、いかにも古い名品のムード。そこからスイス製のクリスタルガラスの風防が、ドーム型に盛り上がっているのがカッコいいですね。ETA社にオーダーしたオートマティックのムーブメント(オリジナルは手巻きです)は、秒針の動きがスムーズで、ほとんど音がしない構造(耳に押し付けると、カチカチと速いビートが刻まれているのが分かる程度です)。もちろん耐震機構も内蔵。普通使われる「304L」のステンレスより硬度の高い「316L」を採用しています。この素材はハードなだけでなく磁力を帯びにくく、錆も出にくいものだそうで、見掛けの優雅さに比べ、全体にタフな構造になっているのも頼もしい時計なのです。

▼ オリジナルのテイストに実用性を加味した仕上げ
オリジナルは、「フライバック」と呼ばれる、ボタンを押すと秒針が12の位置に戻る機構がついていたそうですが、「単に秒針が戻るだけで、元の時間を記憶しているわけでもないので、現在では実用性が低いと判断して、フライバックの実装は見送りました」と、ヴァーグの代表、吉田真幸さん。確かに、そんな機構が付いていても、使えば使うほど時間がズレていくわけですから、使う人は少ないでしょう。

ただ、そんな機械式時計の楽しさ自体は魅力です。そのため、「ZERO」では、ベゼルの回転の感触が凄く良かったり、耐震機構に優れた、精度の高いETA社製の自動巻きムーブメント「Cal.2671」を使うなど、細かい部分まで、しっかりとこだわって作られています。普段、利用していて感じるのは、そんな細部まで目が行き届いたこだわりの時計を付けている満足感の高さです。

「ZERO」の2種類の文字盤。どちらもシンプルで見やすいデザインだ

オリジナルに少しでも近づけるため、資料を集め、実際に持っている人を探して見せてもらうなどの努力の上で、そのままコピーするのではなく、オリジナルのムードを活かした新しい時計を作っている、その感じが、ヴァーグの時計の魅力だと思うのです。

▼ 文字盤のセンスの良さがヴァーグの真骨頂
何より、これはヴァーグの時計全般に言えることですが、シンプルで見やすい文字盤のセンスが好きです。

「文字盤は、デザインし過ぎないようにガマンするのが一番難しいんです」と吉田さんが言うように、装飾過多にならないように我慢が効いている文字盤というのは案外少ないもの。特にアンティークの時計のムードを出した時計の場合、ついゴテゴテとしたデザインになりがちです(雑貨屋系の時計を見るとよく分かりますよね、その感じ)。

そんな中で、ヴァーグのオリジナル時計は、時代性にこだわりつつも、ビシっと抑制の効いた文字盤デザインが本当に魅力的だと思うのです。

次のページでは、ヴァーグのベルトへのこだわりを紹介


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