NAVA Design「Cub box」 |
アタッシュケース、特に上開きの鞄を立てたまま内部のモノを出し入れできるタイプは、大量にファイルを持ち歩く際にとても便利です。鞄を開けて足下に置いておくだけで、どこでも自分のデスク環境同様に仕事が出来る快適さは、他の鞄では味わえません。
▼ アタッシュケースが要求する服装
しかし、その手のアタッシュケースは堅牢性を重視するあまり、かなり重かったり、ごついデザインだったり、やけに高価だったりします。それはそれで悪くないのですが、困るのは、そのほとんどの鞄がスーツにしか似合わないということです。
しかも、しっかりした造りのものになればなるほど(つまり良いものになればなるほど)、要求するスーツの質も上がります。普段着はもちろん、カジュアルなソフトスーツでさえ、「その格好で、その鞄ってどうなの?」という感じになってしまいます。 しかし、堅苦しい格好をしたくない時でも、大量のファイルを持ち歩く必要はあります。また、アタッシュケースそのものの堅苦しさではない、同じ機能を持ちながら、もっと気軽に持ち歩ける鞄があれば、と思うことは多いのではないでしょうか。
そういう場合にも使える、というより、多分、そのために作られた鞄があります。イタリアはミラノのデザイン会社NAVA Designの「Cube box」です。
大きく開く開口部。内部は書類ポケット二つと携帯用ポケットあり。 |
▼ カジュアルだけどプロフェッショナル
この「Cube box」は、いわゆるソフトアタッシュに分類される鞄で、上部が開閉するタイプ。上蓋はベルクロで留めているので、開け閉めが簡単で素早く行えます。素材はバリスティックナイロンで、軽いのですが、作りがしっかりしたボックスタイプで、ハードケースタイプのアタッシュと同じように、内容物を保護することが出来ます。つまり、ハードタイプとソフトタイプの良いとこ取りのような鞄なのです。
上部だけが開いて、中は広いメインルーム(B4のファイルが楽に入ります)と両サイドの書類用ポケット、それに携帯電話などが入れられるポケットがついています。最近の多機能が売りの鞄に比べるとシンプル過ぎる程の室内ですが、書類や資料、ファイルフォルダなどを入れて、上から一目見て必要なものを取り出すという用途には、このスタイルが最も使いやすいのです。
開いた蓋の部分にネームカードを入れるオレンジ色の透明なスリットが付いていて、そういう小さな部分まで、「仕事を知ってる」という感じがする鞄だと思います。カジュアルだけどプロフェッショナル。 そして、何より目を引くのは、その大胆なデザインと色使いです。色はツヤ消しオレンジと黒。イタリア本国では圧倒的にオレンジが人気だそうです。デザインがシンプルなだけに、オレンジでも派手になりすぎないのでしょう。日本でも、年配の方でも十分似合う色だと思います。
ショルダーストラップを装着するDリングは、使わないときには蓋の中に隠れるようになっているとか、開口部の左右にベロが付いていて、より箱っぽさを強調するデザイン上のアクセントになっているだけでなく、雨の内部への侵入を防ぐようになっている、といった、デザインと機能のリンクも良いですよね。