クロノマットB01
クロノマットB01
自動巻き、ステンレススティールケース
79万8000円

時計に関心の高い人なら「自社ムーブメント」という言葉をご存じだろう。時計産業にはムーブメントを製造する専業メーカーが伝統的に存在し、ほとんどのブランドの大半の製品が汎用品をアレンジして使っているのが現状だ。一方では、ブランド自身がムーブメントの開発から製造までを行うオリジナル・ムーブメントも増えている。これが一般的に「自社ムーブメント」と呼ばれるものである。

スイスのブライトリングは、創業125周年を迎えた2009年を機に、初の完全自社開発・製造による自動巻きクロノグラフ・ムーブメント“キャリバーB01”を発表して、いま大きな話題になっている。これまでも100%クロノメーターを謳い、精度や品質に申し分のない高級ムーブメントで評価を得ているが、“B01”が「ブライトリング自社第1号」を表しているように、独自ムーブメントをもってゼロから時計の再構築を試みるただならぬ意欲が読み取れる。

ナビタイマー09 日本限定400本モデル
ナビタイマー09 日本限定400本モデル
自動巻き、ステンレススティールケース
69万3000円

このキャリバー B01は、コラムホイール制御、垂直クラッチ方式の連結解除によるクロノグラフ、COSC認定クロノメーターの高精度自動巻き、70時間パワーリザーブ、時刻に関係なく修正可能な日付表示など、時計好きにとって気になる特徴が少なくない。B01について見逃せない重要なもう一つの点は、あくまでも工業的生産が前提にあり、時計を適正価格で提供する方針がとられていることだろう。最近は自社ムーブメント採用で、価格が一気にはね上がる傾向にあるが、ブライトリングがそれとは一線を画しているのはじつに好ましい。

さて、その晴れがましい初搭載モデルに選ばれたのが「クロノマット」だ。オリジナルはクォーツ全盛の1984年に誕生し、機械式クロノグラフの人気をリードしてきたフラッグシップモデルである。25周年を記念し、ブライトリングの未来を担う理想的なムーブメントに合わせて、ケースをはじめ、ベゼル、ブレスレットに至るまでも完全リニューアル。ブライトリング特有のメタリックな質感を生かしながらも、以前にも増して滑らかで美しいデザインに仕上げられている。円に正方形を巧みに組み合わせた文字盤もこれまでになく新鮮な印象。既存モデルのリニューアルというレベルではなく、まったく新しい「クロノマット」の誕生と考えるほうが良さそうだ。