注目は「オリンピック タイムレスコレクション」

オメガほどオリンピック競技と緊密なパートナーシップを保ってきた時計メーカーは他に例がない。1932年のロサンゼルス大会で30個のクロノグラフ(ポケットウォッチ型)を提供したのを皮切りに、今度の北京オリンピックを合わせて、公式計時の担当はじつに23回にも及ぶ。高度な時計づくりを通して培われたオメガの厳密な計測技術がオリンピック委員会から70余年にわたって信頼されてきたからに他ならない。

オメガ「スピードマスター5カウンター クロノグラフ」
「オリンピック タイムレスコレクション スピードマスター 5カウンター クロノグラフ」。ステンレススティール・ケース(直径44.25mm)、自動巻き(コーアクシャル、COSC認定クロノメーター)。80万8500円(予価。7月発売予定)

オメガは、北京オリンピック開催の1年前、すなわち2007年の8月から、「コンステレーション」、「デ・ビル クロノグラフ」、「シーマスター アクアテラ」といったおなじみの人気モデルの記念限定バージョンを、開催までのカウントダウン企画商品としてすでに順次発表してきたので、秒針のカウンターウェイトに5輪のモチーフを配した印象的なデザインを覚えている人もいるだろう。現在進行中のこのシリーズは、2008年8月8日の開会に合わせて北京でのみ発売される「シーマスターXXIXリミテッドエディション」をもって完結する。

オリンピックスタジアム
8月8日の開会式を控え、準備が整った北京のオリンピックスタジアム、通称「鳥の巣」。5月下旬にはここでオメガのテスト・イベントも行われた
さてこれとは別に、バーゼルワールドでの新作の中で最もオリンピックを象徴するのが、計測というテーマに即したクロノグラフ機能を主役にした「オリンピック タイムレスコレクション」である。このコレクションには、「スピードマスター」や「シーマスター」、「デ・ビル」の多彩なモデルがラインナップしているが、ひと際印象的なのは、写真の「スピードマスター 5カウンター クロノグラフ」である。文字盤左から右にスモールセコンド、7日間積算計、曜日表示、12時間積算計、30分積算計が5輪のように重なりながら連なって横に並び、ひと目でオリンピックとわかるデザインだ。ユーザーとしては、その楽しいデザインに目が奪われるが、このような配置にするには、一般的なクロノグラフとは異なる特殊なメカニズムが必要になり、技術的には容易ではない。

さらにこのモデルは、初期の「スピードマスター」を彷彿させるブロードアロー型の針や迫り上がった懐かしいボックス型のカバーガラス(両面無反射サファイアクリスタル製)も魅力。ムーブメントも見逃せない。オメガの新機軸として脚光を浴びるコーアクシャル脱進機を搭載した自動巻きで、しかもCOSC(スイス公式クロノメーター検定協会)の認定を受ける高精度。伝統的なデザインの良さを巧みに受け継ぎながら、ムーブメントや機構にメカに最新技術を導入し、いまのオメガを象徴するモデルといえるだろう。

次ページで「スピードマスター GMT ソーラーインパルス」を紹介