メルセデス・ベンツ/メルセデス・ベンツの車種情報・試乗レポート

長距離は最新ディーゼルのEクラスワゴンで(2ページ目)

モデルチェンジで以前より積載性を重視した、M・ベンツEクラスステーションワゴン。エコカー減税にも適合したクリーンディーゼル“ブルーテック”搭載モデルに試乗。うってつけの東京関西往復で試してきました。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

無給油で東京~伊勢往復をこなす、クリーンディーゼル

M・ベンツEクラスステーションワゴン
最高出力211ps/最大トルク540Nmを発生する3リッター直噴ディーゼルターボエンジンを搭載したE350ブルーテック(写真)。10・15モード燃費は13.4km/lとなる。エコカー減税に適合し自動車取得税・重量税が免税となる。また13年を超えたクルマからの乗り換えにより対象となる補助金(25万円)も交付される

もうひとつニュースがある。メルセデス・ベンツ日本は、Eワゴン発表を機に、ふたたびEクラスにディーゼルエンジン搭載車をラインナップすることになった。世界でもっともクリーンな排出ガス処理システム“ブルーテック”を採用したポスト新長期規制(もちろんEURO6も)に適合する最先端ディーゼルエンジン(3リッターV6ターボ)で、特にこのエンジンを積んだステーションワゴンアバンギャルドの投入は日本が世界で最初のマーケットになった。

クリーンディーゼルエコカー免税(取得税と重量税が100%免除)は、輸入車初であり、ディーゼルAT車ということでは日本初でもある。もちろん“補助金も”、だ。

M・ベンツEクラスステーションワゴン
E350ブルーテックには最新の排出ガス処理システムを採用。これは排出ガスに尿素水溶液(アドブルー)を噴射して窒素酸化物(NOX)を大幅に削減する尿素SCR(選択型触媒還元)を備え、排出ガス中の窒素酸化物を約69%低減する。また燃焼効率の向上によりCO2排出量は約7.2%、最新のフィルターで粒子状物質(PM)は約21%低減させた

M・ベンツEクラスステーションワゴン
M・ベンツEクラスステーションワゴン
アドブルーのタンクはラゲージ下にあるスペアタイヤスペースに設置されている。容量は24リッター。1000kmの走行で1リッター消費され、2年で交換となる
E350ブルーテック ステーションワゴン アバンギャルドに試乗するということで、せっかくだから長距離を走ってみようと、友人を誘って伊勢まで向かってみることにした。旧型のE320CDIも非常に燃費に優れていて、満タンで東京関西往復をこなしたという経験があったから、今回もそこに期待して走り出す。乗車人数は3名だ。

ちなみに、現行Eクラスのガソリンタンク容量は80リッターである。

ルートは、東名から豊田までひた走り、そこから名古屋湾岸、東名阪を抜けて伊勢道へ、すべて高速。これほどディーゼル向きなドライブはあるまい。

道が空いていれば、燃費重視の一定速度クルーズでもチャレンジできたが、あいにくその日は週末で、朝早く出たにも関わらず交通量がハンパない。名古屋に近づくと次第に速度も低下し、東名阪では大渋滞にも巻き込まれた。

それでも、伊勢までの450km、時間にして6時間近くだったが、平均燃費は15km/l台後半を記録。だいたい30リッターの消費である。当然、燃料系も半分以上のこしていたから、かりに伊勢周辺を走り回っても、十分、帰りまで給油ナシでもつ計算だ。おまけに東京~伊勢の高速料金は1750円だった。高くなった軽油代を考えても、ひとり頭3000円で伊勢まで行った計算になる。浮いたお金で、伊勢牛をたらふく食ったことは言うまでもない。

肝心の乗り味はどうだったか。正直に言うと、街乗りや高速パーキングでの微速域におけるフィーリングは、あまりよくなかった。足回りの突っ張り感もさることながら、ディーゼルらしい音がけっこうする。実は運転席に座っている方が気になるもので、それは、ハンドルやペダルに触りつつそこからちょっとした振動を感じながらしかもノイズを聞いてしまうからだろう。結果的に、乗り心地感覚にも悪影響が出てしまう。これはちょっと残念だった。

けれども、速度にさえのってしまえば、全くといっていいほど問題はない。この力強さはV8級で、実際、最大トルクの値はE550と同じである。走りのスムースさも全く変わらない。そして、ステーションワゴンを感じさせないしっかり感もまた、特筆できる。

長距離移動のベストパートナー。新型E350ステーションワゴン+ブルーテックは、そういうクルマである。
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