1000万円は切りつつも“3やA5”よりはるかに高い
2本バーで中央にスリーポインテッドスターを配したグリルをもつフロントマスク、Bピラーのないサイドウインドウなどが特徴的なエクステリア。Cd値は0.24となる(写真はE350CGIブルーエフィシエンシィ) |
さて。そんな日本の状況とはウラハラに、ヨーロッパでは相変わらずというかしぶとく人気カテゴリーのひとつ(だいぶ落ち込んできてSUVに取って変わられつつあるのは世界的傾向ではあるが)になっている。各ブランドも積極的にクーペモデル(最近では4ドアクーペも主流になりつつあるけれど)を用意しているが、中でもEクラスクーペは独特なポジションのモデルとして今後、注目を集めるかも。
なぜ独特か。このクルマ、実はCクラスのプラットフォームを使っているが、全体的な雰囲気のまとめ方や見栄え質感、機能/性能はEクラス級というコンセプト。価格的にみても、BMW3シリーズクーペやアウディA5よりははるかに高く、かといってBMW6シリーズほどお高くはない。本国では、ほぼ新型Eクラスセダン(W212)と同じ価格帯に収まっている。よく見るクーペよりはちょっと贅沢、けれども1000万円は越えない、という設定だ。
スタイリングは新型Eクラスセダン直系である。グリルにスリーポインテッドスターがある以外、顔はそっくり。'50年代メルセデスをモチーフにしたリアフェンダーの特徴的なラインやリアランプまわりのデザインも、同じ文脈で語れる。ディテールの質感もEクラスなみ。
基本的にセダンと共通となるインテリアデザインを採用。セダンがステアリングにATセレクターを配するのに対し、クーペではフロアに設置。ナビやオーディオ、空調などを統合制御するCOMANDコントローラーも装備 |
インテリアも一瞬、新型Eクラスのものをそのまま押し込んだかと思ったほど。座ってみて、助手席との距離が近いことと、センターコンソール周辺の処理が良く似ていることで、やっとCクラスがベースだと気づく。ハイバックの専用スポーツシートがスペシャルな雰囲気で、リアシートへのアクセスもワンタッチ。ただし、後2席の広さは、平均的な日本人男性がすっぽり収まるけれども長時間乗車はちょっと、というレベルだ。昔のEクーペは、2ドア4シーターセダンと言われたものだったが……。
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