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英国車恐るべしを強めたジャガーの“R”(2ページ目)

ジャガーのハイパフォーマンスモデルとなる“R”。新開発エンジンを搭載して登場したXFR&XKRにスペインで試乗、その走りに英国車恐るべしという印象をさらに深めてきました。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

さらなる熟成と新エンジンで進化したXFRの走り

ジャガーXFR
メッシュグリルや専用バンパー、エアスクープ付きボンネット4本出しマフラーなどを装備したスポーティなスタイルのXFR

ジャガーXFR
新開発された5リッター直噴スーパーチャージャーエンジンを搭載。最高出力は510psとされる
まずは、エンジン。新開発のV8で、直噴化は時代の流れ。もっとも、企画した時点ではこれほど不況とエコが進むという予想はなかったから、5リッターという大排気量+スーパーチャージャーとあいなった。

その威力は、まるで7リッター自然吸気エンジンのようである。低回転域から湧き出る分厚いトルクに乗って加速する様は、大排気量+スーパーチャージャーならでは。それゆえ、圧倒的な速度感こそないものの、知らず知らずのうちに“とんでもない”速度域に達している。最近では、キャデラックCTS-Vで同じような感動を体験した。

さらに素晴らしいのが、足回り。当然、大パワーを受け止めるべくセッティングされているのだが、乗り心地の悪化がみられない。むしろ、デビュー当初のXFよりも気持ちがいい。これはきっと、ノーマルモデルの熟成も進んでいるはずだ!

そのまじめさゆえか、フロントマスクこそ威圧的な顔つきになったものの、全体的にはおとなしい印象が否めない。ドイツ車のように、これみよがしにハイパフォーマンス車であることを表現しない。そこは英国流なのかも知れないが、個人的には、もっと下世話に、ちょっと品悪く演出して欲しかった。……というと、生粋の英国車ファンには叱られそうだが。

ジャガーXKR
メッシュグリルなどでXKと差別化が図られるXKRのエクステリア。今回、XFに採用されているドライブセレクターも装備されている

ちなみに、XKRも、やや乗り心地を硬くしたものの、スポーツカー兼グランドツーリングカーとして出色の存在になったと思う。サーキットドライブで、これほど気持ちのよいハイパワー車は少ない。テクニックなどなくても……。

いずれのRにも、アクティブ・ディファレンシャル・コントロールなる新システムと、固められたシャシー、進化した6ATが与えられた。

ジャガーXFに初めて乗ったとき、いかにもクルマ運転好き受けする走りの素質と可能性の高さに、英国車恐るべしの印象をもった。はたして、進化を果たしたXF&XKシリーズは、その印象をさらに強めるものであったと言っておく。

日本上陸は、まず新XKシリーズとして6月ごろ。XFRは、そののち早い時期に導入されるはずだ。
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