さらなる熟成と新エンジンで進化したXFRの走り
メッシュグリルや専用バンパー、エアスクープ付きボンネット4本出しマフラーなどを装備したスポーティなスタイルのXFR |
新開発された5リッター直噴スーパーチャージャーエンジンを搭載。最高出力は510psとされる |
その威力は、まるで7リッター自然吸気エンジンのようである。低回転域から湧き出る分厚いトルクに乗って加速する様は、大排気量+スーパーチャージャーならでは。それゆえ、圧倒的な速度感こそないものの、知らず知らずのうちに“とんでもない”速度域に達している。最近では、キャデラックCTS-Vで同じような感動を体験した。
さらに素晴らしいのが、足回り。当然、大パワーを受け止めるべくセッティングされているのだが、乗り心地の悪化がみられない。むしろ、デビュー当初のXFよりも気持ちがいい。これはきっと、ノーマルモデルの熟成も進んでいるはずだ!
そのまじめさゆえか、フロントマスクこそ威圧的な顔つきになったものの、全体的にはおとなしい印象が否めない。ドイツ車のように、これみよがしにハイパフォーマンス車であることを表現しない。そこは英国流なのかも知れないが、個人的には、もっと下世話に、ちょっと品悪く演出して欲しかった。……というと、生粋の英国車ファンには叱られそうだが。
メッシュグリルなどでXKと差別化が図られるXKRのエクステリア。今回、XFに採用されているドライブセレクターも装備されている |
ちなみに、XKRも、やや乗り心地を硬くしたものの、スポーツカー兼グランドツーリングカーとして出色の存在になったと思う。サーキットドライブで、これほど気持ちのよいハイパワー車は少ない。テクニックなどなくても……。
いずれのRにも、アクティブ・ディファレンシャル・コントロールなる新システムと、固められたシャシー、進化した6ATが与えられた。
ジャガーXFに初めて乗ったとき、いかにもクルマ運転好き受けする走りの素質と可能性の高さに、英国車恐るべしの印象をもった。はたして、進化を果たしたXF&XKシリーズは、その印象をさらに強めるものであったと言っておく。
日本上陸は、まず新XKシリーズとして6月ごろ。XFRは、そののち早い時期に導入されるはずだ。