バイク/ツーリングスポット

奥多摩で山の恵みを堪能する(2ページ目)

今回は都会の喧騒を離れて、ゆったりとした山の景観を眺めながらのツーリングルートを紹介します。目的地は奥多摩。もちろんうまいもんも用意されています。

執筆者:埜邑 博道

山間の屋台「沸沢園」

沸沢園
沸沢園。払沢の滝へ辿る渓流沿いにある。屋台のような佇まい
来た道を引き返し「沸沢園」へ。食堂というよりは屋台といった感じの佇まいのお店です。大きな鉄製の火鉢やおでんの湯気など、冷えたからだを温めたくなる誘惑にかられます。

大きな鉄製の火鉢の側まで近づいてみると、かざす手を引っ込めたくなるような熱さ。火のありがたさ、エネルギーの強さを感じることができます。そんな火鉢を使って「沸沢園」の料理は作られます。

沸沢園
鰹ダシだけで味をつけてない沸沢園のけんちん汁
まずはけんちん汁。火鉢の上に吊るされた鍋の蓋から湯気が上がり、食欲をそそります。大根やごぼうに芋など山の恵みが入れられた具だくさんのけんちん汁は、鰹ダシの汁の上にお好みで自家製の醤油を加え、好みの味に整えましょう。食道から胃へ熱さが伝わり、身体を芯から温めることができます。口の中にしつこさのない醤油の香ばしさと汁のコクが残る、絶品のけんちん汁です。

沸沢園
忘れずに注文したい生椎茸
続いては、火鉢の上の網で焼く生椎茸。傘に先ほどの醤油が垂らされると、しばらくしてジュウジュウ音を立てて食欲をそそります。噛み切ったときのプリッとした食感とホワッとした柔らかさ。そしてなんともいえない甘みに思わず「旨ッ」と声を上げてしまうほどの味です。自分でバーベキューするときとは別物の旨さ。是非味わっていただきたい一品です。

沸沢園
岩魚は脂の旨みと塩だけで十分楽しめる
極めつけはなんといっても岩魚でしょう。渓流で育ったかなりの大ぶりのモノです。焼き方は串刺しにされた岩魚を軽く炙ってから、おもむろに焼き始めるというもの。こうすると旨みが増すそうです。

ジワッと照りが出てくるほど脂の乗りがよいのが特徴で、味付けは塩だけですが臭みがなく、とても川魚とは思えない旨さです。ホワホワっとした食感の白身には、淡白さと絶妙にバランスした脂の旨みが内包されていて、ほっぺたが落ちそうな味わいです。

【沸沢園】
東京都西多摩郡桧原村本宿63
TEL:042-598-0011

奥多摩
山間の絶景。野鳥やハクビシンも姿を現すという
奥多摩は、ここが東京都かと信じられないほど自然が残っていて、ゆっくり走ればその空気を満喫できる絶好のツーリングエリア。そんな驚きに浸れるのも奥多摩の魅力といえるでしょう。まさに灯台下暗しです。

今回走った距離は人によっては通勤の往復と同じ程度。それでも気分は都会から遠く離れてリフレッシュできること間違いなし。大人のライダーにピッタリの穴場ルートです。寒さが厳しくなるこの季節、こんなツーリングも悪くないのでは? しかし冬場は路面の凍結も多いので、くれぐれもご注意ください。

地図
 




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