今回ご紹介するのは山梨県勝沼のぶどう園。涼しさを求めて、かつ首都圏から片道100キロ以内で、という方には非常にお勧めです。
秋の穴場ツーリングルートをご紹介
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勝沼ICからは中央道で都心から100キロほど。初心者も安心して同行できる |
「ぶどう狩り」というと、マイカーで家族連れの行楽イメージが一般的。「バイクで行くツーリングにはちょっと……」と思っている方も多いでしょう。秋の行楽地の楽しみとして、あまりにも定番とされてきたために敬遠されがちですが、意外に穴場である場合が少なくありません。中央道勝沼ICを左へ出て、バイパスの次の信号を右折。そのまま道なりに走るとわずか5分で、目指す穴場の「玉翠苑」が左手に見えてきます。
玉翠苑のぶどう
玉翠苑が誕生したのは昭和24年。2代目園主である佐藤孝義さんは、毎年意欲的に新種や人気種を加え、現在は15品種ほどを育てています(通常のぶどう園では5~6品種なので、情熱とこだわりの深さが伺えます)。
ここで人気の商品をいくつかご紹介しておきしょう。地元の栽培者の間ではつまみ食いしたくなるほど美味しいと言われる「甲州」。淡い緑色で独特の香りと甘みが人気の「ネオマスカット」。巨峰より粒が大きく、表面に光沢があるのが特徴の「藤稔(ふじみのり)」。またここで収穫したぶどうを使ったワインも人気です。
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右上から時計回りに、「藤稔(ふじみのり)」、「甲州」、「巨峰」、「ネオマスカット」 |
ぶどう栽培は、12月から3月頃に実をつける枝を選び、その枝だけ成長させるなど、非常に手間暇のかかる仕事が続きます。4月に芽が出ると、そこでまた葉の数を見てぶどうを間引くなどの手作業も必要です。また種無しぶどうにするには、房のひとつひとつを薬品につけなければいけません。
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ぶどう狩り用の高い棚に、デラウェアから巨峰まで多くの品種が並ぶ。収穫用の棚はもっと低くビッシリと実が連なる |
実は、昔ながらの種アリぶどうのほうが「甘み」があるのですが、お客さんがおみやげに買って帰るのはやはり種ナシだそう。それでも種アリにこだわる佐藤さんの育てたぶどうは、香りから甘みまで言葉には尽くせない芳醇さにあふれています。
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