砂埃の上がる砂利道
砂埃の上がる砂利道を行く。緑の森の中に吸い込まれそう
世界遺産として有名な青森県・白神山地は、絶景と静寂を求めるツーリングにはもってこいの土地です。白神山地は絶滅危惧品種であるクマゲラが発見されたことによって自然保護運動が起り、伐採計画を回避できたという歴史を持つ場所。

そのため、街で暮らしていると絶対に触れることができない、手つかずの自然がまだ残っています。また、白神山地にはそれをかすめるように、絶好のオフロードである弘西林道が通っています。このロングダートを味わうだけでも、ツーリングで訪れる価値は十分です。

白神山地はちょっと遠いな、と今まで諦めていた人も多いのでは? 都心から弘西林道の入り口までの距離は、大体650kmほどです。東京を早朝に出発すれば、まだ陽の高いうちに到着することができますよ。

ブナが生む伏流水の流れに沿って走ろう

東北道を経て白神山地へと向かうと、西目屋村から弘西林道 (白神ライン) に入ります。この林道に入ってしまえば、ブナの恵みである伏流水の道筋をたどりつつ、最終的に日本海へ出ることができます。まさに、清濁共に飲み込んで海へ吐き出すという、爽やかなルートをたどることが可能なのです!

緑も眩しい静かな田園風景をバイクで走っていると、やがて山が迫り、気がつくと道の両脇に木立が立ち並び始めます。この辺りからエンジン音に混じってエゾヒグラシやカジカ蛙の声がかすかに聞こえてきます。

ブナ
200年が寿命といわれているブナ。400歳というと、相当な古木です
まずは、弘西林道から入山する誰もが訪れるという、「400年ブナ」に会いに行って見ましょう! 林道を少し外れて、巨木が生い茂る森へ入っていきます。ここまで来ると、道にチェーンが張られた立ち入り禁止表示が出現。チェーンの先、森の奥へと続く林道を横目に、『自然監察林』 という看板が掲げられている遊歩道の方へ足を進めます。徒歩でしか入れないので、愛車とはしばしお別れです。

奥へ入っていくと、いつしかブナの姿に目を奪われ始めます。土から生え出でた根元の部分が大きく湾曲している、いわゆる「根曲がり」の、人のウエストほどの太さの幹が冬の雪の重さで曲げられている姿は圧巻。足元には落ち葉が覆い重なり、転がる岩、木々の幹まで全てが苔むしています。このような太古の森そのまま姿に触れることができるのも、白神山地ならではの体験です。

「400年ブナ」はというと、さすが雑誌やテレビにもよく取り上げられる白神山地のスター的存在。威厳に満ち、どこか寂莫とした捕らえ切れない存在感に圧倒されますよ。幹割れした無残な姿と、それでも枝先の若葉の陰に実を結ぶ姿に、絶えぬ生命力を感じることができるはず。

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