インパネ周りはシンプルながら、開放感には乏しい
3代目となるRAV4。世界でNo1SUVを目指す
都会的SUV、女性でも気軽に乗れるSUV、そんなことから人気を集めた初代RAV4。そして時が経つにつれRAV4は徐々に世界戦略モデルになり、ついに今年の秋に発売された3代目となる新型では“世界でNo1となるSUVを目指した”とうたって登場しました。

この“世界No1となること”がどういったことなのでしょうか?

クルマに乗って見て、まず最初に感じたのが『大きい』ということでした。
全幅は1815mm。しかも肉付きの良いスタイル、そして重厚感を出したインパネの影響もあり、よりクルマが大きく感じるわけです。
インパネ周りはシンプルながら、開放感には乏しい
インパネ周りはシンプルながら、開放感には乏しい
開発担当の方に、なぜクルマを大きくしたのか? 尋ねると

「狭い、という声があったからです」
「狭いとは国内で?」
「国内でもそういう声はありましたが、海外でもとくに・・」
と、どうも目が海外に向いてしまっている様子が。

ちなみにこの全幅1815mmのモデルはショートボディとして、日本と欧州を主として売られるタイプで全長は4335mm(スペアタイヤまでの長さを入れると4395mm)。北米を中心とするロングボディも用意されていて、こちらは全長が4600mmと確かに長いです。

「日本を無視しているわけではない。だからショートボディも用意した」とおっしゃるのですが、たとえショートと名の付いたサイズでも、個人的にどうしても納得ができませんでした。(ちなみに米国では、こまロングサイズでも“スモールSUV”というジャンルに入るんですよ)

いや、最初からLクラスSUV、もっと大胆なことを言ってしまえばRAV4というルーミングでなく登場したのだったらいいんです。でもRAV4というクルマは、そもそも5ナンバーサイズのコンパクトボディだったらよかったのに、という思いがあるから。そしてその良さが魅力でRAV4に乗っていた人は次は何を選べばいいのか? 疑問に感じたからです。

「新型はどんな人に乗ってもらうことを想定してクルマを作られたのでしょうか?」
そんな質問をすると
「SUVでありながらも、オフロードから高速道路までもが安心して走れるクルマを求める人を意識しました。実用性ももちろん大切ですが、走りに妥協したくない人に乗ってもらいたいクルマです」という答えが返ってきました。

実際、新型ではボディなどあらゆる部分を一新し、とにかく走りに磨きをかけています。山道などを走っていると、クルマの動きはSUVとは思えないほど機敏で、走りを楽しみたい時にはかなり満足度の高い中身になっていました。

でも逆に、ふっと肩の力を抜いてリラックスして走りたい時には、スポーティだなと感じていた乗り心地は『硬いな』という感覚を受けました。また機敏だなと感じていたクイックなハンドリングは『神経質すぎるな』という感も受けました。とくに感じたのが、40~50km/hのダラダラとした渋滞が続く中では、どこかリラックスできない点にも、どうしてかな・・という思いがあったのでした。

「もう少し乗り心地をソフトにするような、いわゆる初代RAV4のコンセプトは受け継がなかったのですか?」という質問をすると
「そういった議論は確かにありました。ただやはり新型では“走り”という部分に妥協をしたくなかった。とにかく走行性能をアップするということは、開発陣全員の一致した意見だったのです。そのために確かにサイズも含めたタウンユースでの扱いやすさ、乗りやすさは犠牲になっているかもしれません。でもそのぶん、高速も含め走りには自信がありますから」とのこと。

この“走り”を追求したという点が、“世界No1となること”と繋がっている気がしました。日本以外の国では、速度のアベレージも高く、また長い距離を一気に移動するという使い方を主としています。そういう速度を上げた走り方をすれば、確かに魅力的なクルマになったなと思います。高速での安定性は本当にバツグンでしたから。

ただもし私のように初代RAV4のイメージを抱き、気軽に街中を走れるモデルと考えると、サイズをはじめとして「えっ?」と思うと思います。車格がずいぶんと変わったな、というのが率直な感想。ある意味、向いている方向がハッキリとしたため、思い切って捨てている部分もあると思います。

ではどんな人にRAV4はオススメなのでしょうか?
 
個人的には、ハイラックスサーフやプラドに乗っていて、多少ボディは大きくても良いから、しっかりとした走りが出来るものに乗り換えたい、という女性にオススメしたいです。では従来型のRAV4に乗っていた人には・・というと、残念ながら今のところ、このコンセプトを継承する出来の良いコンパクトSUVは思いつきません。

新型RAV4は、このモデルだけで見るととても良くできたモデルです。ただやはりもともと“RAV4”というクルマが持っていた魅力をあっさり切り捨ててしまったのには、疑問が残ります。願わくば、もともともっていたRAV4の魅力を受け付くべくコンパクトSUVを造って欲しいところです。

来年の夏前に登場が噂されているスズキのコンパクトなクロスオーバーモデルにちょっと期待していたりします。
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