エンジンスタートは、プッシュ式のボタン。最近日本でも増えてきたキーレス方式で、キーはカバンの中などに入れておけばOKというもの。メタルトップのルーフもボタン一つ、約30秒で開閉ができます。
さてエンジンをスタートさせ走りだすと、まずはボディの大きさを実感。それもそのはずで全幅は1850mm、全長は4520mmというボディの持ち主。でもこのクルマとほぼ同サイズのコルベットと比較すると、なんとなくXLRのほうがすごくボディが大きく感じたのも事実。インパネ周りのデザインなどが、そう感じさせるのかもしれません。ただこのサイズ自体、メルセデスのSL500などとほぼ一緒で日本で乗れないサイズではないです。前方の見切りもそんなに悪くないので慣れれてしまえば女性でも扱えるもの。
このボディサイズにさえ慣れてしまうと、走りはすっごく快適。乗り心地は実にしなやかで、ブルガリのメーターを見ながら、まさに優雅に走れます。路面の荒れが厳しい西湘バイパスというところを走ったのですが、凸凹をほとんど感じずに走れてしまうのにはびっくりしました。かと言って、俗に言われるようなアメリカ車特有のフワフワした乗り味(これも過去の話なんですけどね)なんていうのはまったくなく、ピタッと落ち着きのある、本当にしなやかという言葉がぴったりくる乗り心地でした。ロードスターであることを忘れるほど、ルーフを閉じた状態での静粛性も高く、とにかく安定感があるのが乗りやすかったですね。
実はこのクルマ、ベースとなっているのが新型コルベット(C6)。でも走りの方向性はまったくの別物で、コルベットのようなスパルタンさは一切なく乗り心地はもちろん、エンジンの吹け上がりににしても、パワフルだけどスムースかつエレガントに加速していく、大人の走りを楽しめるものになっていました。
たださすがC6をベースとしているだけあって、その秘めたるスポーティ性能はなかなかのもの。少しマニアックな話しをすると、XLRのライバルと言われるジャガーXK8やメルセデスSL500と比較すると、最高出力や0-60マイル加速、1/4マイル加速などはXLRがすべて上。それというのもコルベットをベースとしたことで、とてもボディが軽くできているからで、この軽量化が運動性能に大きく反映されているのです。
一つ残念なのが、こういうクルマに言うのもなんですが、もう少し燃費が良かったらいいのに・・ということ(10・15モード燃費 7.1lm/l)。まぁ実測燃費をとっていないのでなんとも言えないのですが、アメリカ車はトルクがあるので、普通に走っていると2000回転を越すことってほとんどないんですよね。このXLRもそうだったし。だから街中では逆に、10・15モード燃費を大幅に下回ることはないとは思うのですが。もちろんアクセル踏めば別ですけどね。
XLR ジャガーXK8 SL500
重量(ポンド) 3643 3980 4045
最高出力 320 298 302
0-60マイル加速 5.8 7.0 5.94
1/4マイル加速 14.25 15.31 14.37
※北米測定値
余談ですが・・ドライブを終えクルマから降りようとしたら、なんと降りられない! そうXLRにはドアノブというものが無いんです。私は恥ずかしながらそれも知らず、ドアの開け方がわからずジタバタ・・。しかも帰ってきたのがどっぷりと日が暮れた夜だったこともあり、操作系が見つけられない。そんな私の様子に気づいた関係者の方がドアを開けてくれて助かったのですが、いや~恥ずかしかったです。ちなみにXLRはドアにあるボタンで開閉をします。知っていれば優雅にポンッとボタンを押して降りられたのになぁ。
このクルマ、すでにアメリカでは大ブレイクしていて、現在オーダーしても1年待ちの状態。すでにマドンナやマイケル・ジョーダンなどが乗っていることもあり、さらに人気が集まっているとか。ただ大量生産されるモデルではなく、世界での販売台数を年間5800台と絞り、プレミア性を維持していきたい考えだといいます。ちなみに日本では1月の時点ですでに5台のオーダーがあったということ。日本でのオーダーならば1年待ちなんてことはなく、すぐ納車されるそうですよ。
・スペック
全 長 4520mm
全 幅 1850mm
全 高 1290mm
ホイールベース 2685mm
最小回転半径 5.8m
車 両 重 量 1670kg
乗 車 定 員 2名
エ ン ジ ン V型8気筒
排 気 量 4574cc
最 高 出 力 324ps/64000rpm
最 大 トルク 42.9kg・m/4400rpm
ミ ッ シ ョ ン 5AT
10・15モード燃費 7.1km/l
駆 動 方 式 FR
タイヤサイズ P235/50ZR18
関連サイト
キャディラックオフィシャルサイト