ジュネーブショーで正式発表される新型ムルティプラ。そのカタチをよく見ると、実はマイナーチェンジ版であることに気づくだろう。
フロントマスクは、キテレツ過ぎたデザイン（ボクは大好きだ！）の現行モデルを反省してか、えらく今フィアット風の顔に変わった。そこに気を取られてはいけない。Ａピラー中程から後ろはほとんどそのまま旧型を引き継いでいる。
具体的にはＡピラーの基部から前が完全新設計だ。顔つき自体はなかなか精悍で、スティーロのようにまとまりがあるもの。プントよりは格段にかっこいい。しかし、だ。低く構えたマスクデザインそのものはいいけれど、そこから後ろに連なるムリティプラ独特のハコ型には、どうひいき目に見てもアンバランスさを感じてしまう。
軽くラウンドしたリアピラーから、幾分シンプルになったテールランプ、リアバンパーあたりのデザインにはそれほど違和感はない。
コンパクトミニバンが大ブームの欧州市場において、このコンサバルックス新型ムルティプラはそれなりの評判を得ることだろう。だとしても、ボクはいっこうに嬉しくないのだけれど・・・。
あの顔が欲しい人はお早めに。もっとも、前列真ん中に座って喜ぶ子供の顔がみたい、という方にはこの新型でも全然問題なしである。中身は変わっていませんから。
