売却危機に関するフィアットグループ首脳陣の対応と株価の反応
既報通り、フィアット首脳によるフィアット危機説に関する対応が先週末行われた。
2002年1~3月期の業績悪化とそれに伴う株価下落を受け、フィアットグループ総裁パオロ・フレスコ、グループ代表取締役パオロ・カンタレッラ、フィアットアウト社長ジャンカルロ・ボスケッティら首脳陣が、問題打開へ向けての今後の具体的計画案を発表したもの。
この計画案について、パオロ・フレスコ氏は「成功を信じている。今やるべきことはこの計画案を実行に移すことだ」と述べ、パオロ・カンタレッラ氏は「来年こそは、謝罪の言葉を使いたくない」とコメントした。
Nuovo(ヌオーヴォ:新しい)という形容詞が、今回のフィアット・クライシスを打開するライトモチーフのようだ。パオロ・フレスコ氏は、『新しい信頼関係、新しいプログラム、新しいチーム』について語っている。なおかつ、この計画案が実行段階へ移ると同時にその効果効能を逐一、医者が患者を診察するように、監視することを明言した。
計画案の具体的内容に入る前に、前回の報告の中で触れた3万人規模の人員削減計画が海外投資家から評価され、先週末の株価は1.57%増の13.83ユーロまで持ち直したほか、メリル・リンチやアメリカ商業銀行などもポジティブな見通しを持っていることが明らかにされた。