新しいフィアットの行方
新しい社長を迎えたフィアット社は、2002年より大きく4つの実行組織に分けられることになる。これはIVECO社再建の鍵となったビジネス・ユニットプランを受け入れたものだ。
各組織はよりフレキシブルな運営が可能となるように、グループ全体に縛られずそれぞれの独立性が尊重される。まず第一の組織としてアルファロメオがある。フィアットグループの中でも最もスポーティなブランドであり、今後も確実な投資が見込まれている。アルファファンは安心していいだろう。
第二はフィアット・ランチアブランドに関する組織、第三は国外事業を一本化する組織、そして最後にサービス全体を運営する組織だ。フィアット側はこの組織改造の意図を「各決定事項の過程を短縮しスリム化するとともに、より市場に近いところにビジネスの重点を置くこと」としている。
当面、日本のイタリア車ファンにとっての関心事は、このビジネスの重点が、どういう戦略を持って日本市場に影響を及ぼすか、の1点であろう。グローバル化がさけられない生産拠点の問題や、アジアパシフィック市場のヘッドクォーターが今の市場を見るか、生来の市場を考えるか、によって今後日本に導入されるイタリアンカーの命運が決まる。
米国ジェネラル・モータースとのエンジン、トランスミッション開発におけるジョイントベンチャーは今後とも変わらず続けられることも発表された。またフィアット-フェラーリの関係にも何ら変更点はない、と発表されている。
これら様々な改革案を実行しフィアット社の飛躍につなげるために新たな増資を決定したことからも、どうやら新フィアットは本腰を入れて改革に取り組んでいるようだ。
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