突然の社長交代劇
昨年12月に行われたボローニャモーターショーの最中、衝撃的なニュースが飛び込んできた。1998年から3年にわたりフィアット社の舵取りをしてきたロベルト・テストーレ社長(49歳)が辞任を発表したのだ。
在任中には156でアルファロメオブランドの復活を見事に成功させたり、フィアットブランドの最新戦略モデルであるスティーロの評判も決して悪くはなかった。しかし、昨年9月11日の米国同時テロが与えた世界経済への打撃に立ち向かうには、新たな指針のもとにフィアット社全体の体制を整える必要があったのだ。
テストーレ氏の後を継ぎフィアット社の社長に就任したのは、IVECO社(バスやトラックなど大型商用車を製造する会社)の社長であったジャンカルロ・ボスケッティ氏(62歳)だ。
ボスケッティ新社長は1990年からIVECO社の社長として手腕を発揮し、ビジネス・ユニットプランによってIVECO社の再建に成功した実績を持っている。この実績が買われ、今回のフィアット社社長就任に至ったようだ