まったく不満がないわけではない。アルファ147もそうだが、高速直進時に腰下で感じる安定感はイマイチ。どうしても地面との間に1枚モノが挟まったような、ちょっとした距離を感じてしまう。その分、中速コーナー以上では粘り気のある、不安感のないなかなかのふんばりを見せてくれるのだが・・・。
装備充実のドイツ車に対抗するだけあって、さまざまな機能装備も魅力だ。日本車顔負けの充実装備といってよい。特に、専用キーホルダーひとつで鍵を回さなくてもロック開閉およびエンジンスタートのできる“イージーゴー”システムや、“スカイルーフ”と呼ばれるガラス折り畳み式サンルーフが面白い。
さて。評価を下さなければならない。このクラスのコンパクトカーとしては非常によくできている。ゴルフと比べても遜色ないと思う。ただ、インテリアのデザインを除けば(特にアバルトの青いファブリックはいい!)、イタリアンカーらしい色気には少々欠ける。スタイリング、特にフロントマスクにもう少し個性が欲しかった。ヨーロッパ戦略車としては仕方ないか。ローマよりミラノ、という感じのするモデルだ。
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