このクルマならではの楽しさを拡げた

ポップの1.2L直4SOHC8バルブエンジンは、最高出力51kW[69ps]/5500rpm、最大トルク102Nm[10.4kgm]/3000rpm、ラウンジの1.4L直4DOHC16バルブエンジンは、最高出力74kW[100ps]/6000rpm、最大トルク131Nm[13.4kgm]/4250rpmというスペック

フルオープンにするとこのようになるが、後方視界が損なわれるのが難点
ちなみにベース車も同様ですが、このクルマは安全装備が充実しているのも特徴です。加速時のホイールスピンを制御するASR(アンチスリップ レギュレーション)や、シフトダウン時のエンジンブレーキトルクを制御するMSRモーター シュレップ レグルング)、緊急制動時にブレーキペダルの踏力が足りない場合、通常よりも高い制動力を発揮するHBA(ハイドローリック ブレーキ アシスト)など、これらを統合制御するESP、坂道発進をアシストするヒルホールドシステムなども備えています。さらに、クラス初のニーエアバッグなど7エアバッグを標準装備するほか、ESS(緊急時制動表示機能)も備わります。フィアット500は、このクラスのクルマとしては、やや価格が高めのような印象もないわけではなく、こうした趣味性の高いクルマゆえ、それもやむなしという捉え方をされている面もありますが、実は装備自体が非常に充実しているのです。それでこの価格なので、むしろ買い得があるのではと思うほどです。

軽快な走り味もこのクルマの魅力。エンジンパワーはそれなりでも、コンパクトで軽量なボディにより、それほど不満なく走れます。ATモード付きの5速シーケンシャルトランスミッション「デュアロジック」は、どうしてもシフトアップで加速が途切れるのが宿命ではありますが、全体的にあまりスロットルを開けず、シフトアップ時にMTのようにちょっとスロットルをゆるめてやるのがスムーズに運転するコツ。また、登坂時は、半クラッチの操作を比較的上手くこなしてくれるので、慣れればそれほど不便な思いをすることなく運転することができます。

ラウンジでは、ベースモデルでは設定のない三層仕上げパールペイントのボディカラーが標準となる。さらに、新色「ラガマフィン」「レッド」も選べる

このように500Cは、このクルマの持つデザインの楽しさに加え、オープンの楽しさをプラスしつつ、オープン化によるデメリットを極力抑えたというクルマに仕上がっています。このクルマが持つ、このクルマならではの楽しさをより拡げてくれる、まさにチンクエチェントの中で本命といえるクルマではないかと感じさせるものがありました。

価格はベース車に対し40万円ほど高くなりますが、筆者がもしフィアット500を買うのであれば、迷うことなく500Cを選びます。
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