ダイナミックハンドリングパッケージが妙味
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フロントバンパー開口部に備わるLEDナイトドライビングライトが特徴的。ここが日本仕様のセダンでは丸いフォグランプとなっていて残念に思っていたのだが、クーペは本来の仕様に忠実なデザインで好印象 |
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エンジンスペックは、E550クーペ(写真)が最高出力285kW[387ps]/6000rpm、最大トルク530Nm[54.0kgm]/2800~4800rpm、E350クーペが最高出力200kW[272ps]/6000rpm、最大トルク350Nm[35.7kgm]/2400~5000rpm |
エンジンは日本仕様ではガソリンのE350の3.5L V6と、E550の5.5L V8の2種類。今のところ直噴の設定はありませんが、ゆくゆくは追加されると思われます。セダンよりも車重がだいぶ軽いこともあって、動力性能は3.5Lでもまったく不満なし。E550になると、「AMGいらず」と思えるほどパワフル。組み合わされるトランスミッションはいずれも7速ATの7Gトロニックです。
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E350クーペの価格は860万円 |
サスペンションには、前後ともに油圧式のセレクティブダンピングシステムを搭載。これは走行状況に応じてダンパー内のオイル流量を変化させ、減衰力を調整するという可変ダンピングシステムで、通常走行時には油圧抵抗を減少させて快適な乗り心地をもたらし、ハードなコーナリング時など急激な入力に対しては最大限の減衰力が得られるよう制御。さらに、減衰力を能動的に制御するE550はダイナミックハンドリングパッケージが標準装備、E350では「AMGスポーツパッケージ」で選択可能となっていますが、これがまさに「絶品」の乗り味をもたらします。
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E550クーペおよびE350クーペのAMGスポーツパッケージには、18インチAMG6スポークアルミホイールが標準装備となる |
また、パラメーターステアリング(ダイナミックハンドリングパッケージではスポーツパラメーターステアリング)が採用されています。こちらのフィーリングもまずますで、メルセデスらしいシュアなハンドリングをもたらしています。
全体として、Eクラスクーペは、やはり予想どおり、触れると「いいな~……」と思わされっぱなしのクルマでした。価格が価格だけに、購入できる人も限られるでしょうし、Eクラスのセダンではなく、あえてクーペを買おうというのは、とても贅沢な行為に違いないわけですが、このクルマを購入の検討に挙げている人にとっては、「期待を超えるクルマです!」と太鼓判を押したいと思います。