アジリティを高めたフットワーク
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今回は、XKRコンバーチブルと、XKクーペのポートフォリオに試乗しました。510psのスーパーチャージドエンジンを搭載したXKRのコンバーチブルのエンジンは、スペックどおり非常に力強く、どの回転域からでも、ルーツ式スーパーチャージャーが、「これでもか!」といわんばかりに加速させる印象です。従来の4.2Lエンジンもよくできたエンジンだったのですが、それに比べても、トルク感は格段に上。しかも、スムーズな感覚が備わり、実に現代的に進化していました。
XKシリーズにも新採用ドライブセレクターは、見た目も使いやすさも二重マル。Dレンジにセットしたままパドルを操りシフトチェンジすると、瞬時のシフトチェンジを楽しむことができます。
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フットワークも変化しています。実は、従来の4.2L時代には、「CATS」と呼ばれる電子制御サスペンションが与えられ、これが絶品の乗り味をもたらしていました。今回もさらによくなっていることと期待していたのですが、「アダプティブダイナミクス」と名称変更された足まわりは、ちょっと予想と違う味になっていました。
従来の足は、ソフトというと語弊があるものの、初期がよく動いて、姿勢が大きく変わりそうになると、ピタッと止めるという感じで、「こんな足がつくれるんだ」と、いたく感心したものでした。乗り心地がよく、しかも挙動変化も小さく、「猫足」と呼ばれる所以を感じさせる仕上がり。理想的な足まわりだと感じていました。快適性と操縦性と安定性のバランスが絶妙だったのです。
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ただ、「R」と名の付くクルマとしては、もう少しスポーティでもいいような気もしていました。それが新型XKRでは、まさにそうなっていて、足まわりを固めてストロークを規制していたのです。サスペンションを固めると、姿勢変化は起こりにくくなるし、荷重移動のスピードが増します。また、ステアリング操舵力が全体的に軽くなっています。こうすることで、よりアジリティ(俊敏性)を高め、スポーティな感覚を演出したのでしょう。
ADC(アクティブデファレンシャルコントロール)も、この大パワーを安全に、しかもグイグイと前に押し出すように楽しめます。
ただし、アンチロールを強調したことで、ロール感がややリニアではなくなったような気もします。従来のほうがしなやかさでは上であったことには違いありません。好み差はあるでしょうけれど、ガイドとしては、どちらが好きかと訊かれれば、微妙に従来モデルに軍配と答えそうではあります……。
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