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ランドローバーの世界(2ページ目)

昨年冬にヴォーグ、スポーツのレンジローバー、ディスカバリー4のリニューアル、今年春に一部改良を受けたフリーランダー2など充実のランドローバー各車の魅力と世界観に迫る。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

現代のランドローバーらしい

インパネ
地を這うようなローフォルムがレンジローバースポーツの迫力を増している。単なるヴォーグのスポーツ仕様ではなく、全長で175mm、全幅で20mm、全高で70mmほど小さくなっている。オンロードでの身のこなしは、ボディサイズから感じる以上に軽やかだ。価格は5L V8が754万円、1104万円
オフロードでの走破性よりもオンロードの快適性が重視される現在では、2WDモデルさえも登場しているSUV。だが、ランドローバーのスポーティ担当のレンジローバースポーツは、当然ながら堅牢なボディにフルタイム4WDという組み合わせが踏襲されている。日本では06年1月に登場した同車は、ラグジュアリーでスポーティな高級SUVでは決して新しくはないが、07年10月のマイナーチェンジや昨年12月に5Lエンジンに換装されたリニューアルなどにより鮮度は十分に保たれている。

レンジローバースポーツもフリーランダー2と同様に、ややラフなアイドリングに低速時は勇ましいサウンドを発しながら加速していく。しかし、車内は十分に静かだし、19インチか20インチという大きなタイヤを履いているとは思えないほど滑らかな乗り心地を披露する。もちろん、ヴォーグよりも引き締まった乗り味だが、スポーティ一辺倒で融通が効かない武闘派とは少し違うのだ。見た目以上に現在のランドローバーらしく上質な雰囲気を味わえる。また、ボディ四隅を把握しやすいボクシーな形状と広い視界による取り回しのしやすさも、ランドローバーの世界観を構築している要素だ。

憧れのヴォーグ

ヴォーグ
09年12月の改良で最大のニュースが5L V8エンジンの搭載だ。スーパーチャージドにはアダプティブ・ダイナミクス・システムを搭載するなど、オフローダーとしてはもちろん高速ツアラーとしての資質もより高めている。価格は5L V8が1329万円、スーパーチャージドが1554万円。サイズは全長4970×全幅1955×全高1880mm
最上級のレンジローバーヴォーグは内外装、とくにインテリアの豪華さが心に残るが、昨年12月には新たに5LのV8エンジンへと心臓部を一新。スーパーチャージドは、パワー面でもカイエンターボやML63AMGのモンスターモデルにひけを取らない500ps超を果たしている。現在のランドローバーがもつ世界観のうち、英国的なしつらえを最もよく味わえるのがヴォーグだろう。

インテリアのトリムフィニッシャーやシートカラー、ボディカラーとの組み合わせは受注生産を含めると多岐にわたり、デュオトーンのインテリアカラーも全8色が用意されるなど、自分だけの特別なヴォーグを作りあげることができる。

走りに関しても基本的には上質そのものだが、スーパーチャージドに搭載されるアダプティブ・ダイナミクス・システムは、悪路からハイウェイまでどんな状況でも路面を的確に捉える連続可変ダンパーであり、巨体に似合わず姿勢を一定に保ち、驚くほど正確なコーナリングが可能になる。運転がうまくなったような気分を味合わせてくれるのだ。また、ヴォーグも見晴らしのよさと車両感覚のつかみやすさは健在で、ドライバーの無用なストレスを軽減する。

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