格が違う
数多くのボタンが並ぶMMIなど、操作には慣れが必要。しかし見た目だけでなく、触感のよさはアウディらしくQ5の魅力のひとつ。Sラインは専用のバッジやロゴなどが貼られるほか、ブラック基調の仕上げになる |
アウディQ5はボルボのXC60とサイズ的に近く、ボルボも意識する対抗馬だ。確かにXC60はシティ・セーフをはじめ安全性に意欲的で、クールな室内など見どころは満載だしコストパフォーマンスは一級品。Q5の3.2Lよりも60万円近く安いXC60の値付けはかなり戦略的だと思う。だが、XC60よりも30万円安いQ5の2.0Lと比べても、高級感、質感という意味ではアウディにはやはりかなわない。XC60はクールでセンスもいいが、超高級ブランドをのぞいてアウディのクオリティの高さや「魅せ方」はおそらく世界一だろうから相手が悪い。
インパネの質感や触感、シートのしつらえのよさ、上質な塗装やチリ合わせの巧みさはやはりアウディと感じ入るだけでなく、Q5はとにかくパワートレインがスムーズで、滑るようにと前に進む。タイヤも大きく重いSUVなのをまったく感じさせない。パワーも2.0Lで十分で、ターボでありながら力が詰まっており、スムーズに加速していく様も高級そのもの。7段のツインクラッチも滑らかな加速に貢献大で、SUVのトランスミッションとしては現状ベストに近い。低速時の1-2速ギヤあたりでややギクシャクするが、右足の慣れとまではいかないコツでスムーズに走れる。
優等生的な走り
MMIは慣れると手首だけで操作できるし、コントローラーとボタンの配置も適切だと思うが、タッチパネルの直感操作にはやはり劣る。ナビの目的地検索などの名称決定でじれったくなるシーンもあった |
また「コンフォート・オート・ダイナミック」の3つを用意する可変ダンパーは、エンジン出力やステアリングレシオなどとも協調し、走り味や操縦感覚を状況に応じて変えられる。どのステージでもオートに入れておけば、ストレスフリーで走れる。今回の試乗車は、専用スポーツサス&19インチタイヤのSラインだったためもあり、ダイナミックだと乗り心地は少々辛口だった。
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