噂のホンダの上級ミニバンの登場まで、しばらく時間が掛かりそうだし、他に目立って採り上げたい車種もないので、今回はミニバンでは選びでちょっと気になるスライドドアの話をしてみたい。


ただ、操作力が大きい。前ヒンジドアならばヒンジ近くなどほとんど動かないが、スライドドアは全体が動くからドア重量がもろに掛かってしまう。登り勾配に止めれば閉めるのが大変、下り勾配ならば開けるのが大変である。しかもドア自体も重いことが多い。勢いよく開閉すると思いもよらぬ速度でバシャンとくる。そろそろ閉めれば半ドアになりやすい。
そんなこともあって、パワースライドドアの採用車も増えているわけだ。シエンタやモビリオにまで設定されているのだから、今や贅沢装備ではなくなりつつある。手巻きウインドウが駆逐されたように、スライドドアではオート機構付パワースライドが常識になる時代もそう遠くないのかもしれない。

スライドドアでもうひとつ気になるのが耐久性である。操作力が大きいことやレールを滑るという構造から、ガタもでやすく、ちょっとしたガタが操作感の低下やキシミ音などにつなかりやすい。この辺りは現在でもスライドドア設計の重要なポイント。生産性やパーツの問題だけでなく、設計段階からかなりのノウハウが必要だという。
スライドドア車はドア周りのヘタリが早いと断言できるほど画一的ではないのだが、全体の傾向として前ヒンジの一般的なドアのほうが耐久性が高いと考えていいだろう。ボディにストレスが掛かりやすい荒れた路面を走る機会が多い、あるいは乗降を頻繁に行う使い方が多いユーザーは、その辺りも考慮してみることだ。