さて、走行メカだが、搭載エンジンは今のところ可変バルブタイミング機構を採用した1.8Lエンジンのみの設定。ショウモデルの記事で紹介した2Lモデルはこの春に追加発売される予定となっている。
ミッションは電子制御4速型のスーパーECTのみの設定。フレックスロックアップ機能などにより、ドライバビリティと燃費の両立を図るなどの特徴があるが、現在のATでは標準的なタイプと考えていいだろう。
足周りはフロントサスにストラット、リヤサスはFFがトーションビーム、4WDがダブルウィッシュボーンを採用。FF、4WDともにリヤサスはサードシートの居住性を配慮した設計となっている。
4WDシステムはリヤデフ直前に電子制御カップリングをおいたアルティ部トルクコントロール方式を採用。4WDオートモードがオンの状態では前輪の駆動状況に応じて後輪へのトルク伝達を自動制御する。滑りやすい路面での発進性能の向上だけでなく、旋回時の安定性の向上も狙った制御が行われ、いわゆる降雪地域の生活4駆の機能にプラスした性能を与えているのが特徴である。
以上がウィッシュの概要だが、標準仕様FF車の価格は168.8万円。ストリームでほぼ同等の価格設定になる1.7LのL(169.9万円)と比較すると、排気量はウィッシュが126cc大きく、最高出力は3ps、最大トルクは1.5kg-mほど勝っている。装備はほぼ同じ内容なので、エンジン性能で優れている分だけ、ウィッシュのほうが買い得といえる。
もっとも、走りはスペックに現れない部分も多く、しかもストリームのフットワークのよさは定評のあるところ。スペックやキャビンユーティリティではウィッシュにアドバンテージがあるが、走りについてはどうなるか予想し難い。いずれにせよ、この2車が一般性が高く、核家族あるいはエンプティネスターなどの少人数乗車ながら多彩な用途で楽しむクルマを求めている人にとって、最も興味深い車種になるのは間違いないだろう。ウィッシュ、ストリームのどちらかを考えている人は、必ず比較して選ぶことである。
<関連サイト>
東京モーターショーで新型ミニバン・ウィッシュを見た
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