苦しいからこそ頑張るライダーの底力を見た
青山にとってみれば、グリッドに並べただけでも幸せなことだったかもしれない。苦しい船出であっても、レースを戦える喜びからか、前向きに自分をプッシュし続けていたように思う。青山は開幕戦のカタールからトップ争いに加っていったものの、パワーに勝り、マシンの特性も異なるアプリリアのバイクの集団に混じり孤軍奮闘していくのはかなり大変なことであった。
バウティスタ(アプリリア、赤)、シモンチェリ(ジレラ、赤白)らとシーズンを通してバトルを展開した青山博一(ホンダ)の走り。 【写真提供:本田技研工業】 |
日本グランプリで2位表彰台に立った青山(左) 【写真提供:MOBILITYLAND】 |
全戦完走、全戦ポイント獲得!
昨年まで青山が乗っていた「KTM」のワークスマシンは非常にコンペティティブながら、それと引き換えに本当によく壊れるマシンだった。マシンと対話し、時には我慢も強いられたことだろう。しかし、今年のマシンは過去に自身も乗っていた、よく知るマシンであるし、2007年まではワークスマシンとして開発されていたポテンシャルの高いバイクである。さらに、2007年にはアンドレア・ドヴィチオーゾ(現・MotoGPクラス)が16戦中15戦で完走した非常に信頼性の高いマシンであったことも青山のチャンピオンロードをバックアップした。バウティスタ(アプリリア、赤)、シモンチェリ(ジレラ、赤白)らとシーズンを通してバトルを展開した青山博一(ホンダ)の走り。 【写真提供:本田技研工業】 |
次のページでは青山の来シーズンの動向を紹介します。