今回のテストに参加したGT500マシンは、16台。昨年、念願のGTチャンピオンを獲得したホンダ勢はフル参戦予定の5台が参加。車両は基本的に2000年モデルをベースにアップデートキットを組み込んで01モデルとしている。スタイル的には屋根上のエアインテークが小型化されているが大きな変化はない。NSX勢中トップタイム(総合2位)を奪ったのは、加藤寛規/セバスチャン・フィリップのTAKATA童夢NSX。ふたりとも今年からNSXのステアリングを握るが、フィリップが一番時計を叩き出した。ディフェンディングチャンピオン、道上龍/光貞秀俊のロックタイト無限NSXが3位、ドミニク・シュワガー/松田次生のMobil 1 NSXが4位、土屋圭市/金石勝智のARTA NSXが5位、そして飯田章/伊藤大輔のRAYBRIG NSXが8位とNSX勢は好調で、今年もホンダ勢がチャンピオン候補最有力となりそうだ。しかし「NSXは00モデルと大きな違いはないし、スープラが速そうだから、今年は大変だよ」(土屋)というコメントもあり、NSXが圧勝できるかどうかは、今後のマシン改良に掛かってくるだろう。
総合トップのタイムをマークしたのは、竹内浩典/立川祐路のAUセルモスープラ。唯一1分25秒台をマークした立川は「まだアンダーステアが消えてないのでタイムはもっと縮められたんですけど」と言う。AUスープラ同様、早い時期に01マシンが与えられた脇阪寿一/野田英樹のエッソウルトラフロースープラも6番手のタイムをマーク。01モデルが完成して間もない土屋武士/黒澤琢弥のカストロール・トムス・スープラが9位、影山正彦/ジェレミー・デュフォアのデンソーサードスープラGTが12位。00モデルにアップデートキットを組み込んだ織戸学/荒聖治のFK/マッシモADVANスープラは13位、片山右京/近藤真彦のTEAM UKYOスープラは15位。こちらは改良マシンのセッティングに力を注いでいた。「01マシンは軽くなっていますね。だからタイヤとのマッチングやセッティングなど00モデルと異なってます。もっとテストをして煮詰めていけばトップに追いつけると思います」と影山。セッティングが決まりだせば、NSXを脅かす存在になるだろう。
王座奪回を目指すニッサン勢では、エリック・コマス/影山正美のNISMO GT-R(01モデル)が7位、ミハエル・クルム/田中哲也のNISMO GT-R(00モデル)が 10位、01モデルのシェイクダウンとなった星野一義/本山哲のカルソニックスカイラインは14位と、いまひとつ好タイムが出ていない。しかし柿元邦彦NISMO監督は「まだ本番仕様になっていませんからね」と不敵な笑みを浮かべる。昨年も終盤までチャンピオン争いをしたGT-R勢だけに、“本番”が楽しみだ。
この他、岡田秀樹/アンドレ・クートの綜警McLaren GTRが11位、一ツ山康/木下みつひろのマクラーレンF1 GTRが16位でテストを終えている。