5リッターV8エンジンと200馬力級のモーターが一体化!

LS460のお披露目会の際、2007年春にデビューするレクサスのフラッグシップ『LS600h』(ハイブリッド)の実車も展示されていた。このクルマ、ベンツやBMWの最上級モデルを強く意識したもの。お披露目会で挨拶を行った岡本副社長によれば「真正面から戦える実力を持たせるため、あえてエンジンも4.6リッターから5リッターにしました」。

なるほどハイブリッドなのだから、LS460のV8エンジンをそのまま使っても良かった。けれどコストアップを承知で5リッターとしてきたあたりに岡本副社長のコダワリを感じる。というか今までのトヨタならこういった効率悪いクルマ作りなどしなかった。「ラグジュアリークラスのクルマにとってのムダはムダじゃない」と考えたのだろう。正しい判断だと思う。

発表されたスペックは「5リッターV8のハイブリッッドで430馬力以上。4WD」ということのみ。これじゃ読者諸兄が許してくれないだろうから、未公表の部分を予想してみたい。まずパワーユニット。おそらくモーターはGS430hと同じ200馬力のタイプのハズ。GSの場合、296馬力の3.5リッターV6エンジンと組み合わせ、システム出力を345馬力とした(参考までに書いておくと、システム出力はモーター+エンジン出力の単純な合計ではない)。

こいつから推測すると、5リッターV8エンジンは燃費と低回転域のトルクを重視した特性持たせたもので、最高出力で言えば4.6リッターと同じ380馬力程度じゃなかろうか。ただし常用する2千回転のトルクがLS460用の4.6リッターより10%以上太いと思う。つまり巡航時からアクセル踏んだ時の”これまでのラグジュアリーカーには無い加速感”を出すために排気量を増やしたに違いない。

4WDシステムは今まで「後輪駆動に前輪用の駆動モーターを加えたタイプ」(ハリアーの場合、FFに後輪駆動用のモーターを加えた)だと予想されていた。しかし展示物を見たら、前輪専用のモーター無し。マジェスタなどで採用している後輪駆動用4WDシステムをそのまま使っている。

5リッターV8エンジンと200馬力級のモーターが一体化しており、そこから電子式センターデフで前後輪に駆動力を振り分けているというもの。興味深いのは回生ブレーキ制御。後輪駆動のGS430hで回生ブレーキを掛けようとしたら、後輪だけのブレーキになってしまう。それじゃバランス悪いため、前輪にも普通のブレーキを掛けてます。

これだと回生で得られる電力は少なくなってしまう。前後の駆動力配分を自由にコントロール出来るLS600hの4WDシステムなら、ブレーキ踏むと前輪を主にバックトルク(駆動力の反対)を発生させ、効率よくエネルギー回生出来るという寸法。したがって通常走行は後輪駆動。滑りやすい路面とブレーキング時に4WDという制御になる、と予想します。

絶対的な動力性能だが、停止時からの加速はパワーアップした分、重量増で打ち消しとなるだろうから、GS430hと同等だと考えていいだろう。しかし巡航状態からの追い越し加速や、高速域から速度リミッター(ヨーロッパ仕様は250km。アメリカ仕様240km。日本180kmだと思う)までの加速はベンツやBMWの6リッター級を凌ぐだろう。

最後に価格、レクサスのフラッグシップになるLS600h、おそらく1200万円台になると思う。
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