燃費は変わらずとも乗り心地が大幅に良くなった!

初代プリウスはマイナーチェンジや小変更の度に燃費改善策を投入してきた。したがって今回も何か対応してくるのかと思ったら「システム関係は全く変えていません」どうやら現行プリウス、もはや簡単に燃費良くならないくらい高い完成度を持つということなのだろう。現行プリウスのオーナーにとっちゃ少し嬉しい感じ。では今回のマイナーチェンジで何を変更したのか? こらもうプリウス最大の弱点である乗り心地である。

見た目ではテールランプもデザインが変わり、ボディサイドのハイブリットエンブレムも大きくなった
現行プリウスのユーザーである私も、乗る度に「アカンなぁ」と思う。具体的に言うと、路面から伝わる細かい振動が取れていないのだ。プリウスは燃費を稼ぐため、転がり抵抗の少ないタイヤを採用している。この手のタイヤ、硬い。省燃費タイヤと、質感より耐久性世界一のカヤバ製ダンパーの相性が良くないのだ。本来なら良質なダンパーに変えれば良いのだけれど、諸事情(コストの問題でない)により難しいらしい。

けれどトヨタの開発担当者や実験部は現行プリウスの乗り心地に×を付けた。どう対応したか? ダンパーでなく車体を大幅に変更してきたのだ。2kgにも及ぶ材料を使ってサスペンションの取り付け部分の剛性を確保したら、何とか納得出来るレベルになったそうな。ちなみにマイナーチェンジで本格的に車体剛性を変えるの、トヨタじゃ極めて珍しいこと。やっぱりプリウスの開発チームは気合い入ってます。

フロントマスクはグリル内にメッキのバーが入り、ちょっとだけ高級感が出た
乗るとどうか? いやいや! 驚いた。実は車体剛性を向上させた話、試乗した後で聞いたのだけれど、乗り心地が全く違ってたのだ。日本に於けるプリウスのライバルは、価格的に近いVWゴルフやベンツAクラスだと思う。これらのドイツ車と比べ、マイナーチェンジ前のプリウスは乗り心地のみ大幅に劣っていた。点数を付ければ60点くらい。マイナーチェンジ後は80点を付けられるくらいにまで改善されている。これならクルマにウルサイ人でも、乗る度に文句言わずに済むレベル。

トヨタに聞くと「ダンパーも見直しました」というが、車体改善効果たるや極めて大。これでVWゴルフのような良質のダンパーを使えば、おそらく乗り心地の質感(いわゆる吸い付くような足と評されている感じ)でも完全に並ぶと思う。プリウスというクルマ、売れ筋の『G』にナビなど装着すれば、総支払額300万円だから決して安くない(だからこそVWゴルフなど輸入車のライバルとなっている)。今回のマイナーチェンジで、やっと相応の質感に届いたと思う。

その他、現行プリウスがデビューした時から弱点とされていたインテリアの樹脂(ツメで引っ掻くと跡が取れない)も普通のタイプに変更されたり、慣れないと難しかった自動バック装置/インテリジェントパーキングシステムの”狙い”(駐車位置)を定めやすくなったりと着実に弱点を改良してきた。総合的に評価すると、依然として国産車で最も魅力あるモデルである。もしプリウスの購入を考えているなら、迷う事などありません。値引き無い、というのが最大にして唯一の弱点か。
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