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所得漏れの危険さえ含む内税表示化について考える 内税表示化と自動車売買

4月1日から消費税は内税表示化されるけれど、ここに来て「下取りに出したクルマ」の消費税の不透明さが問題になってきた。消費税というのは流通段階で段階的に幅広く掛けようとするのが基本的な理念。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

4月1日から消費税は内税表示化されるけれど、ここに来て「下取りに出したクルマ」の消費税の不透明さが問題になってきた。消費税というのは流通段階で段階的に幅広く掛けようとするのが基本的な理念。具体的に言うと中古車の場合、最終消費者である「中古車を買ったユーザー」は5%の消費税を中古車屋さんに預ける。そして中古車業者も”仕入れ”の際、5%を売り主に支払わなくちゃならない。下取りは「中古車屋業者の仕入れ行為」になるため、本来なら下取りに出したユーザーに消費税を払わなくちゃならないのだ。なのに下取り査定に消費税を上乗せてくれた、という話を聞いたことがないと思わないだろうか?

それどころか私は昨年プリウスを下取りに出す際「消費税を乗せて欲しい」と主張したのに「出来ない」と言われる始末。仮に下取り車の消費税が内税だったなら『益税』として『雑所得』に計上。所得としなければならない。しなければ所得のごまかしになり、脱税行為である。なのにディーラーからいくら消費税を出してくれたか不明だし、そもそも下取り車の消費税など考えたことがなかった。強いて言えば「収入3千万円以上の課税業者でないので消費税を支払っていない」という可能性もあるけれど、だったら消費税の基本概念として「消費税を上乗せして欲しい」とこちらが頼んだ時点で、課税業者であろうとなかろうと支払わなければならないハズ。

めちゃくちゃである。考えてみれば自動車の専門家でなければならない私でさえ、今まで考えたこともなかった。もし内税表示化で4月から下取り査定に消費税が含まれているという判断になれば、クルマを下取りに出した人の大半は所得漏れの脱税行為になってしまうから怖い。早速国税庁に問い合わせてみたら、確定申告のため忙しく対応出来ないという。「ここで聞くように」と教えて貰った相談窓口はずっと話中。終日電話かけ続ければ繋がるのかもしれないけれど、そんな余裕もない。近所の税務署に行って聞いてみたら、とうてい納得できない内容。というか「ここでは解らない。国税庁に聞いて欲しい」になってしまいました。

といったワケでこの件、継続取材中である。いずれにしろ内税なら所得漏れになってしまう可能性あるので注意しなければならない。逆に外税であれば、消費税を受け取る権利を持つ。やがて国税庁から正式な回答を得られるだろうけれど、その時のために4月1日以降は見積書に内税か外税かをしっかり書いておいてもらうことをすすめておく。ちなみにディーラーは損も得もしない。内税であれ外税であれ、税務署にはしっかり5%の消費税を納付しているからだ。参考までに書いておくと、150万円で下取りに出したクルマなら、外税だと消費税分の7万5千円受け取る権利を持つ。内税だったなら、7万2千円ほどの雑所得になります。
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