日本カー・オブ・ザ・イヤー選びの際の点数はレガシィ10点のプリウス8点とした。これ、レギュレーションによって「必ず1車に10点を入れる。そして10点は1車のみ」と決まっているためであり、もし2車に10点を入れられるなら同点にしたと思う。こう書くと「10点は他のクルマに入れ、例えば6点ずつの同点とすればいいでしょう」と考えるかもしれないが、やっぱり2番手の同点じゃありません。というワケで、ワタシの「一番印象に残ったクルマ」はレガシィとプリウスであります。ちなみに両方買いました。レガシィ4台目でプリウスも3台目。両方のクルマを高く評価していることが解っていただけるんじゃなかろうか。
なんでこの2車がいいのか? こらもう簡単。『匠の世界』に入っているからだ。例えばプリウスの場合、もはやライバルというものが存在しない。ま、10・15モード燃費だけ見ると、シビックやインサイトといったモデルもあるけれど、勝負ついてる感じ。インサイトは2シーター超軽量ボディの燃費スペシャルだし、シビックだって先代プリウスのマイナーチェンジ時点で実用燃費は勝っていた。加えて追いすがるライバルなど当面無いだろう。こうなると普通ならコストダウンのみに精を出し、手を抜くもの。なのにプリウスの開発陣は違った。自らで高いハードルを作り、それを超えようと頑張ったのである。凄いことだと思う。
レガシィも同じ。動力性能やハンドリングは先代レガシィでライバルを圧倒していた。2代目から3代目になった時のように、シャシをキャリーオーバーしてもよかったろう。コストだって掛からないし。ただ重量増を覚悟しなければならない。ボディの大型化や、衝突安全性の向上、5速ATの採用など、今まで通り作れば100?程度重くなったそうな。これまた普通なら「じゃエンジンを2,5リッターにして少し高い車格にしよう」と考える。でもレガシィの開発陣は違った。自分自身で「大幅な軽量化を実現する!」と目標を立て、結果的に全部作り替えてしまったのだ。ライバルを意識しないで努力する、というのは難しい。
10月にはアウトバックも追加されラインナップを確立したレガシィ |