今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーは開票するまで行方が読めないと言う展開となり、27点差という僅差でフェアレディZをリードした『アコード/アコードワゴン』に決定した。どういった流れでアコード/アコードワゴンが受賞したのか紹介しよう。御存知の方も多いだろうけれど、日本のカーオブザイヤー(以下COTYと略)は、これまで国産車のみを対象としていた。日本の場合、無視できないほど輸入車と国産車の価格差があったためである。反面、輸入車は日本COTYを受賞する資格すらないということに。ちなみにヨーロッパCOTYやアメリカCOTYでは日本車が受賞したこともあるので、確かに世界3大COTYするとしたら日本車しかない。
そこで今回から国産車と輸入車の分類を撤廃。昨年11月1日から今年10月31日の間に発売された全モデルを対象にCOTYを選ぶ、というシステムに変更された。また、これまで通り全ての対象車を集めて試乗会を行うのは難しいため、一次選考として10車種を選び、11月13日に最終選考するという流れとなっている。残った10車種は、ダイハツ『コペン』。ダイムラークライスラー『Eクラス』。トヨタ『カルディナ』。オペル『ベクトラ』。日産『フェアレディZ』。VW『ポロ』。ホンダ『アコード・アコードワゴン』。マツダ『アテンザ』。ランドローバー『レンジローバー』。
ここ10年間というもの、有力な候補が存在し、おおよその流れを読めた。しかし今年は実力伯仲で、特にフェアレディZとアコード/アコードワゴンの差がほとんどないという状況。しかもアテンザというダークホースや、ミニ、Eクラスという輸入車の強豪も居るから難しい。実際、開票が進んでも、シーソーゲーム! 10人目の途中経過でフェアレディZリード。20人目はアコード/アコードワゴン、そして30人目で再び逆転といった展開。最終的に40人目からアコード/アコードワゴンの逃げ切りとなったものの、得点差27。10年前のマーチvsギャランの時の21点差に続く僅差である。関係者はさずハラハラしたろう。
投票結果を分析してみると、10点(満点。必ず1車に入れなければならない規則)はフェアレディZの20人に対し、アコード/アコードワゴン15人。ただフェアレディZに1点も入れていない選考委員も13人居る。アコード/アコードワゴンの3人と大差。なぜか? 日産は部門賞である『ベストファン賞』にフェアレディZを入れて欲しいとアナウンスしていた。これを聞いて「それなら本賞は欲しくない」と判断した選考委員もいたんじゃなかろうか。もちろん見事COTYに輝いたアコード/アコードワゴンは素晴らしいクルマだと思う。3位にミニやベンツEクラスを抑えアテンザが入った。ここ数年、評価されるクルマを持っていなかったマツダにとって大殊勲である。部門賞は『ベストファン賞』にフェアレディZ。『モーストアドバンスドテクノロジー』がBMW7シリーズ。
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