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ガソリンスタンド最新事情 ガソリンスタンド最新事情

あまり知られていないことながら日本のガソリン価格は非産油国のなかで最も安い。アメリカより安いのだ。しかもデフレ経済のため値上げが出来ない状況。セルフスタンドの急増も、そういった状況を反映したものである。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

このところガソリンスタンドの”スタイル”が変わりつつある。理由は価格の低迷。あまり知られていないことながら、今や日本のガソリンは産油国を除けば最も安い。ガソリン1リッターには53円80銭の税金が掛かっているため「ガソリン」という液体だけなら1リッター40円前後しかしないのだ。ミネラルウォーターより安いワケ。ガソリンが安いというイメージあるアメリカの価格を調べてみたら、1ガロン=約3,75リッターで2ドル弱。日本と同じ税抜き価格に換算すれば、1リッター55円くらいになってしまう。なぜ世界一ガソリンが安いか? 日本はデフレ経済。近隣のガソリンスタンドとの価格競争が激しく、値上げなど出来ない情勢。そんなこんなでガソリンスタンドの廃業も目立つ。

 一方クルマの数は減っていない。「それなら薄利多売で収益を確保しましょう」という企業も出てきた。その一つがセルフ式のガソリンスタンド。最近、全国的な規模で急増中。特徴は、普通のスタンドより安いガソリン価格。普通のスタンドと比べ4円程度安い価格を売りにしている。なかには「引火しそうで怖い」と思っているドライバーもいるようだけれど、ガソリンスタンドのアルバイトも、入ったその日から講習など受けずにガソリン入れているほど。誰にでも出来る。欧米に行くとセルフのスタンドなど当たり前。特にアメリカが顕著で、店員が入れてくれる「フルサービス」というブースは割り増し料金を取られるため、お金持ちしか利用しない状況。

 怖いと思っている人に聞くと「満タンになって溢れたら困る」と思っているケースが多い。イメージとしては石油ストーブのタンクに灯油入れる時か? でも昨今は家庭用灯油ポンプでも電動式なら自動停止機能が付く。ガソリンスタンドのポンプは、家庭用電動ポンプより一段と信頼性高い停止装置が付いているから大丈夫。ハンドルを握っていても、満タンになれば自動的に止まるようになっているのだ。もう少し具体的に説明すると、給油口にホース入れたら一杯に握る。ガチャンと止まったら、少しづつ入れ、次にガチャンと止まれば満タン。ホースを給油口から引き上げ、ギリギリまで入れようとしない限り溢れることなど無い。たまにスタンドマンが溢れさせるのは、ギリギリまで入れようとするからだ。

 その他「セミセルフ式」というタイプのスタンドも増えてきた。セルフ式に改造するには最低でも2千万円規模の投資が必要。それなら店員はガソリンを入れるだけにして人件費を削減しましょう、という狙い。窓ガラスを吹いたり、ゴミを捨ててくれたりはせず、ドライバーの代わりに給油してくれるのみ。ガソリン価格は2円程度安い。レポーターの近所にも2軒ほどセミセルフ式が出来て人気。レギュラーでリッター96円だ。逆に高いのが高速道路のスタンド。このところヤリ玉に上がっている道路公団の天下り会社の管轄ということで、サービスエリアのスタンドは独占状態。さらに高速から出て給油すると割高になるから、イヤでも使わなければならない。使う時は「緊急避難」と割り切り、目的地に着くギリギリの量を入れればいいと思う。
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