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グリーン税制について

4月1日から施行されることがほぼ決まっているグリーン税制について。もし減税対象の新車を買うなら、4月1日以降の登録にしないとメリットを受けられないので注意。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

すでにTVや新聞のニュースで取り上げられている通り、4月から13年以上経過したクルマの自動車税を上げる方向で税制改定が行われそうな気配濃厚になってきた。記事では減税ばかり取り上げられている素晴らしい税制に感じるけれど、全体的に評価すれば増税か? というのも減税の対象車は極めて少ないのに対し、増税となる車種が多いからだ。詳しく内容を紹介してみたいと思う。

まず減税される条件を挙げると「平成13年度と14年度に限り、排気ガスのクリーン度によって自動車関係諸税を割り引く」というもの。具体的に言えば、運輸省認定の排気ガス平成12年規制値に対し、☆三つの『超・低排出ガス基準』(基準値より75%以上排気ガスがクリーン)クリア車は50%引き。☆二つの『優・低排出ガス基準』(同50%クリーン)クリア車で25%引き。☆一つの『良・低排出ガス基準』(同25%クリーン)クリア車なら13%引きといった具合。

☆三つの2リッター車であれば、所得税の他、自動車税が平成13年度と14年度のみ年額3万9500円から1万9250円になり、1500ccのシビック(☆二つ)は年額3万4500円の自動車税が25%安くなる(約9千円分)計算。ところが考えてみると☆三つの車種、現時点じゃプリウスとシルフィ、セルシオの3車しかなく、加えていずれも大量に売れるクルマでないと思う。☆二つも少数派。☆一つは急増しているけれど、13%安だから1500ccで4千円程度しか安くならない。

対して増税はガソリン車で13年落ち以上。ディーゼル車11年落ち以上と対象車が大幅に多くなる。なぜ13年か? いろいろな情報を総合すると「13年以上経過したクルマの排気ガスは汚い。経年変化で排気ガスが汚くなるから」という理由らしい。この点、疑問だらけだ。現在の排気ガス規制が始まったのは25年前のこと。13年前の平成元年には何も変わっていない。それならら5年前でもいいし、15年前だっていいのでなかろうか。

走行距離が少ないクルマなら13年経っても排気ガスは当時のまま。実際私のフェラーリ328は11年前(89年式)のクルマだけれど排気ガス濃度を計ると新車と変わらない数値。昨年末に車検だったが、排気ガス濃度は検出限界以下である。日本には「全車両排気ガス濃度のチェックをする」という世界一厳しい車検があるでのだからここで排気ガスをチェックし、税額を決めてもいいと思う。現状では減税対象車より増税対象車の方が台数も多い。こうなってくるとグリーン税制と言うより実質的な増税である。古いクルマの代替えを狙っているようだけれど、むしろ使える資源をムダにすることになる。廃棄物を作ってグリーン税制か? 

参考までに書いておくと、減税対象車を買うなら平成13年度が始まる4月1日以降の登録にしてもらうこと。3月31日までに登録された自動車は減税されないので注意して欲しい。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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