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Japanese Women @ NY Fashion Vol.3 通信員としてNYコレをリポート(2ページ目)

NYのファッション業界で活躍する女性たちシリーズ第3回。繊研新聞の通信員としてNYコレを取材されていたファッション・ジャーナリストの望月実穂さんをご紹介。

執筆者:市川 暁子

★NY再上陸
98年8月に、IFIで知り合った東京生活研究所の方が主催するNY視察ツアーでNYに着きました。メンバーは松屋の方が中心で、他はIFIの受講生。1週間のツアーの後は、ひとりでNYに残り、半年ほどは英語学校に通いました。繊研新聞の杉本さんへはもう1回手紙を出して、ついに初対面。アシスタント的なお手伝いもするようになりました。

そのほか、日本のセレクトショップのための買い付け、マーケットリサーチやトレンドリポートの作成、そして、ユナイテッド・バンブーのパターンのお手伝いなど、NYファッションをさまざまな方向から体験していきました。

ソーホー。
NYへ来たころ、毎日3時間歩いて、
お店のマップを手作りしたという思い出も。



★初めて見たNYコレ、ジャーナリストデビュー
NYに来て1ヵ月後。NYコレを見てみたい!という熱意だけで、『FBプレス』という同人誌のライターとして招待状のリクエストにトライしました。SOS(South of Seventh)というダウンタウンの若手デザイナーを中心としたショーと、宝島社が主催した東京ストリートPOPというショー。自分でカメラを持っていって写真も撮りました。

その後、運良くさまざまな人のつながりを介して、『ブルータス』、『マリクレール』、『流行通信』などから依頼があって、だんだんと雑誌の仕事をするようになりました。繊研新聞にも、伊藤さん、杉本さんに推薦していただき、ストリートファッションの担当として自分で写真を撮りながら原稿を書き始めました。

NYコレ取材のほかにも、
デザイナーインタビューや
ショップ取材など様々な企画を担当した望月さん。
PRのオリビアさんと。



★2001年9月、繊研の通信員として
正式に通信員になったのは2001年の5月です。業界の専門紙だから、嬉しい反面、緊張感とプレッシャーも大きかったです。その年の9月のコレクションが通信員としてのデビュー戦。日本でNYコレ評として最初に出るのは繊研だから、自分の書いた評価はとても重要、という責任感を感じていました。とても気合が入っていて、やりとげよう!と思っていたのですが、11日にテロが発生。結果、NYコレはスケジュールの半ばで中止に。通信員として初めてのコレクションだったのにマラソンでいうと完走できなかったような、フラストレーションが残ったシーズンでした。

★速報は締め切りとの競争
新聞の原稿はショーを見て、その日中に送るというハードスケジュール。締め切りは日本のお昼、NYの夜11時くらいです。夜9時からのショーは終わるのが10時だから、全部のんびり見終わってから書くというのではアウト。ショーの合間を縫って書かないと間に合いません。

通信員としては2シーズン目、2002年秋冬のときのことです。マークジェイコブスのショーが1時間10分も遅れてスタート、終わったのが夜11時すぎになってしまいました。東京のデスクから「穴があいちゃうよ!」という催促の電話が矢のようにかかってきて。カメラマンへ写真の指定をしないといけないし、もう震えながら書いたのを憶えています。

ショーはシーズンで70以上は見ていました。日本人ジャーナリストとしては一番多かったと自負できます。人から聞いたことを自分の言葉のようにして語るのは嫌なので、自分の目で見たい、という思いがいつもありました。

「街のエネルギーが好き」という望月さん。
彼女が住んでいた
マンハッタンのアパート屋上からの景色は
ダイナミックNYそのもの。



★NYの後輩たちへ
街の空気を感じることが大切。ただ、じっとしているんだったら、NYにいても東京にいても同じです。街に出ること、自分の足で歩いてみることが必要。私は歩いてみることで情報を得たし、1日に3時間くらいソーホーを歩き続けてショップのカードを集め、お店マップを自主的に作ったこともありました。

また、昔の同僚によく言われるのは「私は出会ったチャンスを絶対活かす」ということ。自分では意識していなかったのですが。でも、出会いこそ大切、そして素晴らしいものだと思います。常に前向きにポジティブいることの重要。NYに住んでいる人ってそういう傾向が強いのではないでしょうか。

★NYという街
街自体がエネルギーを持っていると思います。だからこの街が好きだし、自分のことを応援してくれているようにずっと感じていました。多くの人にNYに来てもらって、好きになってもらいたい。だから、ジャーナリストとしてこの街の素晴らしさ、面白さを書くということで、NYに少し恩返しができたというようにも感じています。


いかがでしたか? ご意見、ご感想、そしてNYのファッション業界で働くこんな職種の人にこんなことを聞いてみたい、というのがありましたら、ぜひお知らせください。今後のシリーズの参考にさせていただきたいと思います。


★Japanese Women @ NY Fashion Back Issues★
☆Vol.1 Nolitaでセレクトショップ <東末千春さん/セレクトショップTUTUオーナー>
☆Vol.2 NYで資生堂をPR <尾関弘子さん/資生堂コスメティックス(アメリカ)>




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