根津美術館~東京にいることを忘れる緑深きミュージアム

日本家屋を思わせるような外観の本館。世界中の美術館を視察し熟考したそうです

日本家屋を思わせるような外観の本館。世界中の美術館を視察し熟考したという建物は青山の街に溶け込んでいます ©藤塚光政

一方の根津美術館は約70年親しまれてきた南青山の地に、まったく新しい建物となってお目見え。10月7日、3年半にわたる大改築を終えての開館となりました。

竹林の内側の本館へと続くアプローチ。竹やひさしの作り出すシャープなラインが静寂をもたらします

竹林の内側の本館へと続くアプローチ。竹やひさしの作り出すシャープなラインが静寂をもたらします

1941年、鉄道会社などを経営していた明治の大実業家であり、東洋古美術の蒐集に熱心だった根津嘉一郎の遺志によって南青山の根津家敷地内にオープン。2万平方メートルという広大な敷地には茶室が点在し、国宝7件、重要文化財87件を含む約7000件の古美術品が収蔵されています。

外から見た術館は美しい竹林におおわれ、それだけでも自然豊かなミュージアムであることを予感……。その竹林の内側のアプローチを通って入り口へ向かうと、現れるのが建築家・隈研吾設計の新美術館、本館です。

『展示室4』には古代中国の青銅器が展示。闇の中で浮かび上がる美術品が幻想的

『展示室4』には古代中国の青銅器が展示。闇の中で浮かび上がる美術品が幻想的

どこまでも続く瓦が印象的な大屋根の建物。館内には絵画、書蹟、青銅器、茶の湯の美術など、それぞれの特性に合わせた6つのギャラリーが設けられていて、これまでの2倍のスペースを持つ美術館となりました。

ここが青山だと信じられますか?庭園の中には「根津美術館八景」とされる場所が点在

ここが青山だと信じられますか? 庭園の中には『根津美術館八景』とされる場所も点在

そして根津美術館で見逃せないのが、本館から一歩出ると目の前に広がる庭園。敷地の約4/5を占める広大な庭園は、4つの茶室をはじめ、舟の浮かぶ池あり、鳥居あり、石仏・石塔あり……。ファッションの最先端の街・青山にいるとはおよそ考えられない緑深い庭園で、どこまでも続く小径を奥へ進むと、山へ迷い込んだような感覚にとらわれるほど。美術館本館の庭園口からは想像もできないような敷地が広がっているので、時間に余裕をもって散策へ向かってください。

散策の合間に立ち寄れる『NEZUCAFE』。ミートパイ、バームクーヘンなどが楽しめます

散策の合間に立ち寄れる『NEZUCAFE』。ミートパイ、バームクーヘンなどが楽しめます

庭園の中には、こちらも隈研吾デザインのカフェがオープン。窓一杯に広がる緑が、うっとりするほど素晴らしい憩いの場となっています。

根津美術館、山種美術館共に、新オープンを記念した特別展が2010年半ばまで開催されます。また2つの美術館は直線距離で約1キロしか離れていないので、新しいアートスポット2館を歩いて巡ってみるのもおすすめです。

<DATA>
根津美術館
住所:東京都港区南青山6-5-1
TEL:03-3400-2536
入館料:一般1000円/学生(高校生以上)800円
特別展 一般1200円/学生(高校生以上)1000円
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日は開館、翌日火曜日は休館)、展示替え期間、年末年始
アクセス:東京メトロ『表参道』駅より徒歩8分
地図:Yahoo!地図


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